潰瘍性大腸炎、大腸全摘手術患者の体験談 潰瘍性大腸炎で大腸全摘手術を受けた患者さんの体験談を集めてみました。 それぞれの患者さん個人の体験談ですので、病院や術式・患者さんの体調などの状況によっては変わってくる事柄もあります。 実際の手術の際には自分で勝手な判断をせずに、医師や看護師の意見に従っていただくようお願いいたします。 文責 大阪IBD会員 トキ オペ待機のUC患者さんへ あーたん 待機手術の方&女性対象になる部分があります、あしからず。 ---------------------------------------- ∴入院前(オペ前)の準備 一、肛門括約筋を鍛えましょう(^▽^)ノ やるのとやらないのとでは1期後に漏れる腸液と便漏れの量が大違い(多分)です。 私は主治医から事あるごとに『お尻をシメル練習をしといてね』と言われました。 方法は妊婦さんが出産後にする体操と同じモノが一番効果的だと思います。 一、ワンピースを買いましょう(*'-'*) オペ前にインターネットの掲示板で勧められた事です。 2期、若しくは3期分割の方は一時的にストマになりますよね。 普通のスカートやパンツではイケナイという事ではないのですが、スカートはドレインが押え付けられてしまうし、パンツは(便が溜まってくると特に)モコモコしちゃうんです。 私は運良く(?)ストマ生活を夏にしたので、出掛ける時はいつもワンピでした。 汚物を処理する時もとっても楽ですよ♪ 一、お腹キレイ写真を撮りましょう(*^^*) 私がオペをする前一番気にしていたのがお腹のキズでした。 その人それぞれの体質やそれまでのステロイド投与量にもよるので一概には言えませんが、それでも開腹オペだと盛大に切られてしまうのでキズは目立ちます。 オペ後10年も経てばケロイドは薄くなるとは思いますが、当分はビキニ(セパレーツも)を着る気にはなれません。 ので、特に若い女性はキレイな状態のお腹を記念撮影しておく事をお勧めします。 オペを覚悟する良い機会にもなりますし♪ 一、円座を買いましょう(。-_-。) 1期オペ後、小腸と肛門の縫合部が傷み、椅子やベットに座るのが辛いです…。 痛い痛い、と訴えていたら看護婦さんが円座を持ってきてくれました。 あのカタチ、ちょっと恥かしいですがお尻はとても楽♪病院で貸して頂いたのはモロ"痔主用座布団"って感じでしたが、退院後にハンズ等探してみたらムートン地のものや可愛い色柄のものが結構売ってました。 私は今でも(お尻が痛い訳ではないです)愛用してます♪ ----------------------------------------- ∴入院に関する(オペ直前の)注意 一、カメラを持って行きましょう(^^) オペ後、切除した大腸を家族には見せてもらえると思います。 患者本人は生の大腸を見れないので、家族に頼んで撮っておいてもらいましょう。 写真でもかなりエグイですが、撮っておいてもらって良かったと思っています。 その他、抜糸前の縫い縫いのお腹を撮っておいても良い記念(?)になります。 一、ニフレックは全部飲みましょう(T▽T) ちゃんと飲んで大腸の中をキレイにしておかないと後で誰かに嫌味を言われる(かも)。 私はいつもポカリの粉を混ぜて飲んでましたが、何度飲んでも慣れませんね…(せめてマグロコール並みの味に改良してもらいたいです)。 他のニフレックの飲み方としては、キンキンに冷やしておいてもらう、飴(甘い系はNG)を舐めながら飲む、ウーロン茶の粉を混ぜて飲む、鼻をつまんで飲むetcを聞いた事があります。 ともかく頑張って飲み干しょう! 一、スーフルは真面目にやりましょう(^^ゞ スーフルとは肺機能回復器具の事で、術後喉に詰まった痰を吐き出す力を付ける目的で行います。 私は思いっきりサボってたのですが、術後、呼吸が浅くなってしまい、看護婦さんに「深く息を吸って!」と何度も言われました。 また痰を出すのにもかなり苦痛を味わいました。 練習の効果が実際どのくらいあるのかは分りませんが、医師の注意、病院の指示などは素直に聞いてマジメに実行しましょう。。 ----------------------------------------- ∴最後に… 今はとっても元気です! 治療に関する事は医者の方針等があると思うので、何も書きませんが、オペをしなくてはイケナイ状態になってしまったら腹を決めましょう。 オペ前は色々と恐怖を感じるとは思いますが、 沢山の人が体験してきた事です。 前進あるのみ! 大腸全摘体験談 神奈川コロン 関口和孝 1.今までの概略の巻 平成14年4月上旬に大腸全摘オペを1期で済ませましたので体験談を書きます。 発症してちょうど8年たちますが、はじめの5年は症状が軽く、ペンタサで緩解を維持できていました。ペンタサをしっかり飲んでいたにもかかわらず6年目に突然再燃して、初めて2ヶ月ほど入院し、ステロイドを使いました。 調子がいいと薬を飲むのを忘れたり、やめたりしてしまう方がいるようですが、“すっかり良くなっても5年くらいはペンタサを飲みつづけた方がいい”と言いますから、油断しない方がいいと思います。 その後も入退院を繰り返し、結局2年半くらいの間に合計4回入院しました。入院期間は最長で2ヶ月、最短で1週間、平均では3週間ちょっとでした。 ----------------------------------------- 2.漢方薬の巻 平成12年の10月に再燃して以来、ステロネマやプレドニン内服でずっとステロイドから離脱できず、1年半もの間、ずっとステロイド漬けになっていました。そんな時、知人に漢方を勧められました。漢方薬専門の病院で漢方薬を何種類も処方してもらい、保険が効かない病院だったので、1ヶ月に5万円くらい払っていました。ちなみにその病院はUC患者がかなりいるそうです。 漢方薬は「飲み始めは一度具合が悪くなって、それから効き始める」といいますが、案の定、飲み始めると下痢や出血がひどくなり、いつになったらその「飲み始めの悪くなる時期」が過ぎて「効き始める」のかと思っていたら、悪くなる一方で、結局3ヶ月間下降の一途でした。 その結果、5回目の入院となり、絶食&IVHで大腸を休め、様子を見ることになりましたが、ちっとも良くならず、ステロイドの大量投与をしようかという話が出ました。 ----------------------------------------- 3.ペンタサ注腸の巻 入院したときは、プレドニン1日10mgくらいでしたが、すでにステロイド総量が1万mgに近づいていたことや、1年半もステロイドから離脱できていないこと、骨密度が90才相当まで落ちている(同年代の標準値の70%程度)ことから、これ以上のステロイドによる治療はせず、最後の手段として顆粒球吸着療法(GCAP)を試すことになりました。 顆粒球吸着療法は入院していたその病院ではできないため、都内の某大学病院へ転院することになりましたが、ベッドが空いていないため、空きを待つ間にペンタサ注腸をその病院で初めての試みとしてやってみることになりました。 1日9錠飲んでいたペンタサのうち5錠は内服で、あとの4錠をすり潰して粉にし、微温湯100ccに溶かします。これを看護婦さんに注腸してもらうのですが、結構ハズかしかったです・・・・これがプレドニン20mgだったか25mgだったか忘れましたが、結構なステロイド量に匹敵するらしく「だったら何で副作用の強いステロネマとかやるの?????」と思いましたが、やってみると本当にかなりの効果がありました。 試す前と後で直腸だけ内視鏡をやってみたのですが、試す前は内視鏡が腸壁に触れるだけで出血していたようなひどい状態だったのですが、1週間後には腸壁も丈夫に(?)なり、目に見える出血はすっかり無くなっていました。ただし、あくまでも直腸だけの話です。それより奥は見てませんから、どうなっているか分かりません。奥から出血があるようで、黒い血液だけがドバッと出るような状態は改善されませんでした。 これからペンタサ注腸薬が日本でも認可になれば(現在は認可されています)、治療の選択肢がすごく広がりますね。・・・・というか、ペンタサ注腸が効く人なら、ステロネマとかプレドニン注腸はもはや不要という気もします。 ----------------------------------------- 4.顆粒球吸着療法の巻 いよいよ大学病院のベッドが空き、転院しました。顆粒球吸着療法は最初の1週目だけ月曜日と木曜日、それ以降は毎週月曜日というスケジュールでやり、合計5回で1クールということでした。 大学病院の主治医によると、3回やって効果が全く見られない場合、4回目以降に急激に効いたという症例は過去に1度もないので、もし3回目が終わって変化がないようなら全摘手術を考えた方がいい、と言われました。で、実際に3回目が終わっても、全く変化はありませんでした。 ちなみに顆粒球吸着療法(GCAP→ジーキャップと呼ぶらしい)と白血球除去療法(LCAP→同様にエルキャップと呼ぶらしい)は血中の除去する成分が違うようですが、大学病院の主治医によると、“こっちの方が効果があるぞ”という差は今のところ出ておらず、これから臨床実績を増やして、どういう違いがあるのか研究していくとのことでした。 ----------------------------------------- 5.免疫抑制剤の巻 私としては、手術の前にできうる治療の全てをやっておきたかったので、「免疫抑制剤による治療をやらずして手術はできない」と、大学病院の主治医に訴えました。すると、主治医はキッパリと免疫抑制剤に使用を否定しました。理由としては、過去に私と全く同じパターンで、顆粒球吸着療法が効かなくて免疫抑制剤を使ったところ、それも効かなくて、そのまま全摘手術になった方がいらしたそうなんです。その方は、ステロイドで免疫が下がっているところにさらに免疫抑制剤で免疫を抑えていたため、手術後に肺炎を起こし、もうダメかと思ったけれど、なんとか命だけは取りとめたとのことでした。 主治医は、「免疫抑制剤は効くとか効かないという前に、副作用も強いし、難治性のUCの場合は全摘手術をしたほうが絶対にいい。術後はほとんどの人が満足している」と手術を強く勧めました。「全員」ではなくて「ほとんどの人」というのが気になりましたが・・・・ ちなみに手術を勧めたその主治医は内科医です。外科医なら手術を勧めるのは分かるのですが、内科の先生からそれだけ強く手術を勧められるとさすがに説得力があり、「もう内科的治療でできることは無いのかな」と感じました。 術後の満足度に関しては、「踊れ難病患者」というホームページの「オペ患者のアンケート」がとても参考になりました。 ----------------------------------------- 6.手術決断の巻 そんなわけで以下の理由により、手術を決断しました。 理由1:ステロイドの総量が1万mgに近く、副作用で骨密度が90才相当にまで下がっており、眼圧も上がっていることから緑内障が出る可能性もある。 理由2:以前よりステロイドが明らかに効かなくなってきている。 理由3:ステロイドから1年半も離脱できず、それでも緩解に持ち込めない。 理由4:できうる内科的治療法がパルス療法などのステロイドの大量投与と免疫抑制剤以外にもう無い。 理由5:発症から8年経っており大腸ガンになる危険性が高い。 ちなみにUCじゃない普通の人は、キノコのようにポリープがはえてくることが多いので、内視鏡で大腸ガンが見つかることが多いらしいのですが、UC患者の場合、炎症を起こしている大腸粘膜に平たくガンができるので、UCによる炎症とガンの区別がつきにくく、発見が非常に難しいとのことです。また、実際にUC患者で大腸ガンになった人ってほとんど知らなかったのですが、転院してUCの知り合いが増えると、UC歴が長い20代とか30代の人で大腸ガンが見つかっているケースに何回か出会いました。 大腸ガンが見つかった人は、「1年に1回の内視鏡検査じゃ、一度見落とすと次に見つかるのは早くても1年後だから、オレは3ヶ月ごとに内視鏡やってたけど、見つかった時はリンパ節まで転移してた・・・・若いとどんどん進行しちゃうからホント、ヤバイよ。」と言ってました。 ----------------------------------------- 7.二度目の転院の巻 手術を決断したところ、主治医から「手術をするならどの病院でやろうと思っていますか?」と聞かれました。入院していたその大学病院は、大腸全摘手術で有名な先生もいらっしゃる大学病院だったので、内科の先生方は「やるんなら当然ウチの病院の外科に移す。」と思っていると信じ切っていましたので、主治医の私に対するこの質問は意外でした。 以前より、もし手術するのなら、大腸全摘手術の実績数が多い(去年は60症例以上あったようです)Y市民病院のF先生にお願いしたいと思っていましたので、その旨主治医に伝えました。すると主治医は、「F先生ならこの業界で知らない人はいないくらい有名な先生だから、任せておけば間違いないよ。」と言ってくれ、気持ち良く転院することができました。 ちなみにY市民病院は開腹で大腸全摘手術をしますが、実は腹腔鏡手術がいいなぁと思っていました。で、腹腔鏡手術の実績が多い病院を探したんですが、過去数年で30症例くらいのところばかりで、決定的だったのは技術的に1期で済ませられないことでした。開腹手術で1期で済ませることできるようになったのがここ3年くらいの話のようですから、まだ発展途上である腹腔鏡による大腸全摘が2期になってしまうのは、当然といえば当然でしょう。 ちなみに腹腔鏡オペのメリットは、癒着しにくいこととか術後の回復が早いなどですが、大腸全摘の場合は、カメラを入れる穴以外に、大腸を摘出するために5センチくらいは開くそうです。(開腹した私のキズは10センチくらいでした) 話は戻りますが、Y市民病院に転院するとIBD患者がすごく多くて、6人部屋のうち2人がUCで4人がCD、さらにとなりの部屋は6人のうち2人がUC、2人がCDなんていう時もありました。手術の時の話などいろいろ聞くことができて、ためになりました。 ----------------------------------------- 8.手術までの準備の巻 Y市民病院に転院した時、ステロイドを1日10mg使っていたのですが、手術をするのにステロイドを使っていていいことは無い、ということで転院翌日から5mgに落とし、その3日後くらいには0mgというようにサッサと切ってしまいました。 手術はストマ(人工肛門)を造らずに、1期で済ませることになりました。その時使っているステロイド量や、全身の栄養状態などを総合的に見て、1期で済ませるか2期に分けるかを決めるそうです。基準としては、過去1ヶ月のステロイド量がプレドニン換算でだいたい300mg以下だと1期でできる目安となるようです。それよりステロイド量が多かったり全身状態が悪いと、Jパウチ自体の縫い目やJパウチと肛門管の縫合部分がくっつきにくく、1期目は大腸摘出とストマ作成のみにして、ステロイドの影響が切れた頃、2期目でJパウチ作成とストマ閉鎖という具合になるようです。 私の場合は、手術の1週間以上前にステロイドを切ってしまったので、過去1ヶ月の量は180mgくらいでした。また、手術を受けるのに、なるべく体力をつけておいた方がいいということで、転院してきてからは歩き回ったり、血便は止まっていないのにIVHの他にお菓子やアイスを食べて、栄養をつけていました。(と言っても、実はただ単に食べたかっただけです・・・・・) ----------------------------------------- 9.硬膜外麻酔の巻 腸の手術を受ける場合、硬膜外麻酔といって全身麻酔とは別に腰のあたりから痛み止めの麻酔をかけることが多いそうです。無痛分娩にもこの硬膜外麻酔が使われているようです。これがよく効くそうで、“この麻酔が効けば術後の痛みもたいしたことない”と言う人もいましたが、この麻酔を使う前に事前に血液の検査をしました。耳に針を刺してちょっとだけ出血させて、何秒で止まるかという凝固検査と言われるものです。出血が止まりにくい人は使えないんだそうです。私はギリギリでダメでした。 UCの人は栄養状態が悪い人が多く、そのせいで出血が止まりにくいことが多いとのこと。 ちなみに、使ったけど全然効かなかったという話も聞きますから、この辺は麻酔科医の腕によるのかもしれません。 ----------------------------------------- 10.手術前日の巻 前日の手術の説明の時です。怒られるかなぁと思いつつ、恐る恐る 「・・・・・先生、じ、じつは・・・結構お菓子とか食べてたんですけど大丈夫ですか?」 「別に構いませんよ。」 「・・・・・下剤とか飲まなくて大丈夫ですか?」 「お腹を開いてみて汚かったらそこだけ洗いますから。」 「ああ、そうですか・・・・」 あっさりとしたやり取りでした。 これは私の考えなのですが、小腸を縫ってJパウチを造ったり肛門管と縫い合わせたりすることを考えると、ずっと絶食して小腸を使っていない状態よりも、大腸の具合があまり悪くならない範囲で小腸に食べ物を通してやって、なるべく普段使っている状態に近いようにした方が、縫い合わせた時のくっつき具合とかもいいんじゃないか、と思います。UCの場合、小腸は別に具合が悪いわけではないですから。 手術前の説明の時は、先生と手術について話せる最後の機会ですから、確かめておきたいことを事前にメモしておき、聞き忘れのないようにしておきました。例えば、 ・癒着防止シート(セプラフィルム)はなぜ2枚までしか使えないのか? ・パウチはJ型以外に例えばW型にするということについてはどうなのか? などです。 癒着防止シートは保険で2枚までと決まっているらしく、「それ以上は自腹で・・・」と言っても、それは混合診療というものに当たるためできないとのことで、パウチの型は世界的にもJ型が中心で、容量もこれで十分とのことでした。 ----------------------------------------- 11.手術当日の巻 午後1時くらいからの手術だったので、12時前くらいから全身麻酔がよく効くような点滴をして、12時半くらいに鼻に管を入れました。この管は、全身麻酔で胃腸の働きが鈍くなって吐き気が出ることや、胃液が腸のつなぎ目に負担をかける場合があるので、それを防止するために胃に入れるとのことです。手術室に入って麻酔が効いてから入れてもいいのですが、目が覚めたときに、この鼻管を入れているせいでオエオエとすごい吐き気がしたという話も聞きまして、術後の痛みと吐き気がいきなりダブルで来てもキツイなと思ったので、どんな具合か確かめておく意味も含めて、意識があるうちに入れておきました。 手術室に入り、名前と生年月日を言うと、口元に麻酔のマスクが当てられ、一瞬で眠りに落ちました。その3秒くらい後、(実際は2時間半後だったのですが)「終わりましたよ〜!!」という看護婦さんの声がして、家族の声も聞こえましたが、顔は覚えていません。遠い意識の中で激しい痛みがあって、「いてぇよ〜!!!」と騒いでいたことは何となく覚えているのですが、あとはあまり良く覚えていません。 ----------------------------------------- 12.手術直後の巻 摘出した大腸はそれ程ひどい状態ではなかったものの、出血していた跡がいたるところにありました。ペンタサ注腸をやっていたためか直腸が一番きれいで、上に行くに従って出血していた跡が多くなり、上行結腸が一番ひどい状態でした。 午後3時半頃に手術が終わって一度起こされ、午後5時頃、家族から「もう帰るからね」とまた起こされ、次に自然に目が覚めて時計を見ると、夜中の12時くらいでした。その時はまだ意識がハッキリせず、あまり覚えていません。その後、「ああ、これから手術をするんだな・・・・・、いや、もう終わって今はリカバリールームにいるんだ、イテェなぁ・・・」という夢と現実が混ざったような夢を2回くらい見ました。 記憶がハッキリしてきたのは明け方の4時頃からです。眠り過ぎのためか、起きていると痛いから眠ってしまおうと思っても眠れなくなってきて、痛みがひどく、寝返りをうつと、鼻管がノドのあたりで動き、オエッと吐きそうになります。だいぶ眠ったかな、と思って時計を見るとまだ5分しか経っていない・・・・・そんな状態がずっと続き、痛み止めや吐き気止めを点滴してもらって何とかしのいでいました。朝の8時頃になって、朝の回診で福島先生と小金井先生が来て下さり、さっそく鼻管を抜いてもらったところ、吐き気が無くなりかなり楽になりました。 この鼻管はあまり早く抜くとヤバイようです。吐き気が出てきて、「オエッ」って吐いたときに腹筋に力が入り、傷口がちょっと開いて出血してしまい、また管を入れ直して回復室へ逆戻りという人もいました。 ----------------------------------------- 13.大部屋に戻るの巻 昼前には回復室から大部屋に歩いて戻りました。人によっては歩けずに車椅子で戻ってきたり、麻酔が完全に切れていないため、戻ってきたこともあまり覚えていないという人もいるようです。逆に手術が終わって手術室を出るときに、もう目がパッチリ覚めてしまったという人もいて、この辺も麻酔科医の腕によるのかもしれません。 病室に戻ってきてあらためて自分の体を観察すると、首の下に入っていたIVHの管の他に、脇腹にはJパウチの縫い目あたりから出てくる血液や腹水を出すための腹腔ドレーン、肛門からは腸液(便)を出すためのドレーン(先が風船みたくなっていて肛門から勝手に抜けないようになっているらしい)、さらに尿管まで入っていて、合計4本の管につながれていました。栄養分の吸収も排泄も「全自動」ですから、自らトイレに行く必要は全くありません。 また、脇腹から出ている腹腔ドレーンからは、日々血液の量が減ってきてだんだん透明の液体になってきました。 ----------------------------------------- 14.トラブル発生の巻 尿管は術後2日くらいでさっさと抜いてしまいましたが、尻管と脇腹の腹腔ドレーンは術後1週間くらいは入れておくようです。もちろんその間は絶飲食です。 術後1週間くらいして、尻管から造影剤を入れて注腸検査をしました。Jパウチの縫い目や肛門管との吻合部から漏れている様子は無く、その場で尻管を抜き、腹腔ドレーンもまだ結構な量が出ているのに抜いてしまいました。すると、腹腔ドレーンから外に出ていた液体がどんどんお腹に溜まって張りが出てきました。また、尻管を抜いたところで普通の人は自分でトイレに行って便を出せるのですが、私の場合、肛門の括約筋がギュッと収縮してガスも便もうまく出すことができませんでした。 その結果お腹はパンパンに張り、熱も39度近く出てしまいました。レントゲンとCTで確認したところ、かなりの腹水が確認され、熱の原因は腹腔ドレーンを早く抜き過ぎたことだろう、ということで再び入れ直しました。 また、尻管についても「今回と同じようにガスと便がうまく出せなかった人は過去に3人くらいいます。そういう場合はもう一度入れ直して2〜3日後にもう一度抜いてみれば大丈夫です。」ということで、これまた管を入れ直しました。こういうマイナーなトラブルのときは、同じ手術をたくさん経験している先生だと安心だな、としみじみ思いました。 ----------------------------------------- 15.食事開始の巻 腹腔ドレーンと尻管を入れ直して数日後、熱も下がり、尻管を抜いてみたところ、今度はうまくいきました。腹腔ドレーンはまだ入れたままですが、流動食が始まりました。 初めのうちのトイレ回数は1日16回くらいで、睡眠中も2回くらいはトイレに起きてしまい、最長でも3時間くらいしか連続して眠ることができなかったため、いくらでも昼間に睡眠を補えるものの、睡眠不足というか、1日中だるさを感じるようになってしまいました。そこで、下痢止めのロペミンを飲んでみることにしましたが、1錠でもかなり効き、効きすぎると腸閉塞を起こす場合もあると聞かされていましたので、カプセルを開けて中身を半分出してまたフタをして0.5カプセル分だけ飲んでみました。腸閉塞になるとホント大変ですから・・・・・ 朝晩1カプセルずつ飲むようになっていたので、まず朝食後に0.5カプセル飲んだのですが、昼食時になっても効く気配は無く、1カプセル飲んでちょうどいいくらいかな、と思っていたところだんだん効きはじめました。垂れ流し状態だったのがメリハリが出てきたというか、落ち着いてきたというのが一番当てはまる言葉でしょうか。その0.5カプセル以来、ロペミンは全く飲んでいませんが落ち着いてきています。 ちなみにロペミンより効き目が弱いフェロベリンという薬は飲んでも飲まなくても全く変化が感じられないので、最初の1週間くらい飲んで以来、飲むのをやめました。 その後、流動食→3分粥→5分粥→全粥という順に2日ずつかけて上がっていき、手術から約3週間後、退院しました。 16.退院後の食事の巻 ここから先は特に個人差が激しい部分だと思いますので、術後はみんなこうなる、とは思わないで退院後2週間の人の一例として読んで下さい。 自宅に戻ってきて、さっそくマックのハンバーガーを食べました。腸閉塞にならないように、最初のうちは一度にたくさん食べず回数を分けて食べるのがいいと聞いていましたので、病院食も全部食べていませんでした。そのためか、胃が小さくなっていてハンバーガー1つで満腹になってしまい、他のものは一切食べられませんでした。 腸閉塞にならないよう、ワカメ、トマトの皮、もやし、たけのこなどの、いかにも詰まりそうなものや、あまりかまずに飲み込んでしまいがちな麺類は今のところ避けていますが、それ以外のものは何でも食べています。カレーライス、コロッケ、カツ丼など、大腸があった時は怖くて食べられなかったものも、今のところ全く問題なく食べています。今までの反動がすごいというか、無意識のうちに脂質が多いものを選んでしまっているような気がします。 退院後の2週間で2度ほど腸閉塞気味になったことがあります。1回目は、回数は分けて食べていたものの一日の食事の絶対量が多かったためか、ガスが溜まっておながか張ってきました。蒸しタオルでお腹を暖めたら2時間くらいでガスも出て楽になりました。 2回目は、あまり外出もしないでゴロゴロしていたためだと思いますが、(というかそれ以外に原因が考えられない)腸の動きが悪くなって、またしてもガスが溜まって「ア〜、イテ〜!!!」とゴロゴロ転がりながら騒いでいました。2回ともガス便は少しずつ出ていたので、プチ・イレウスってところでしょう。こんなんでもかなり痛かったので、本格的なイレウスになったらどんなにツライことでしょう・・・・想像しただけで怖いです・・・・ ----------------------------------------- 17.退院後の便回数の巻 便の回数は1日8〜12回くらいで泥状便ですが、ガマンしようと思えば便意を感じてから1時間くらいはガマンできますし、再燃中みたいにしぶり感はありません。再燃中は便意を感じてから30秒くらいしかガマンできないこともあり、2回ほどトイレに間に合わなかったこともありますが、今は回数は多くても外出にはそれほど困りません。体力的にまだそんなに出歩けませんが・・・・・ 便が泥状便だと、ガスだけ出せる時もあるのですが、水分を取り過ぎた時など、たまに水様便になってしまうことがあり、その場合はガスを出しにトイレに行き、ついでに便も出るといった感じです。また、横になっていればガスだけ出すことも可能ですが、ガスだと思って出すと実は便だった・・・・・というパターンもあります。 一日のリズムとしては、朝起きてすぐ1回目、朝食後に2回目、昼食前に3回目、昼食後に4回目、夕方に5回目、夕食後6回目、寝るまでに7、8、9回目、夜中に起きて10回目といった感じでしょうか。もともと朝や午前中にトイレに行くことは少なかったのですが、私の場合、かなり時間帯によって偏りがあります。朝食後8時間くらい出ないときもありますし、夕方から就寝までの間に連続して6回くらいの時もあります。たぶんこれは人によってバラバラでしょう。 ----------------------------------------- 18.最後に(補足も含めて) 今まで長々と書いてきましたが、別に積極的な手術を勧めているわけではなく、手術決断の参考になればということで私の場合を書いているだけですので、誤解しないようにお願いします。やっぱり手術をしないで緩解期を維持できるのが一番いいですからね。 私のようにいつの間にか難治性になってしまった場合、ついステロイドに頼り過ぎてしまいがちですが、私の場合、骨密度や眼圧などの副作用を見ながら、あるところで「もうこれ以上ステロイドは使わない」というラインを心の中で何となく決めておいたので、いいタイミングで手術でき、1期で済んだのではないかと思います。 また、肉体的にも精神的にもキツい時に手術をするのは本当に大変なので、頻繁に再燃・緩解を繰り返す人で手術しようと思っている人は、緩解期を狙って手術することを強くお勧めします。緩解すると「このまま手術しなくても済むんじゃないか・・・・」と思ってしまいがちですが、ホント、体力があるときの方が術後の合併症も少ないし、回復するのも早いですから。 あと、手術直後に無理をしてでも歩いた方が癒着しないって言いますけど、体力が無い時に手術すると、術後に歩くのもツライですからそういう意味でも緩解期の手術はいいと思います。 癒着といえば、医師に聞いた話ではないので本当かどうか分かりませんが、術後1週間で癒着具合が決まるとか聞きました。癒着は手術でお腹を開いた人の宿命ですが、癒着すると腸がスムーズに動かず腸閉塞を起こしやすくなるので、そのためにも、私は術後1週間は特に頻繁に歩きました。「連続3時間以上はベッド上にいない」と決めて歩くようにしてました。 また、歩けない場合は寝返りをうつだけでもいい、とも聞いたのでベッドの上ではなるべくゴロゴロ寝返るようにしてました。 それと、腸閉塞の他にJパウチと肛門管の縫い目あたりが狭くなってしまうことがあるようで、その時は指で強制的に広げるという荒技をやるようですごく痛いらしいです・・・・・ 最後に、今の段階での手術して良かったことと悪かったことを書いておしまいにします。 良かったこと 1.薬を一切飲まなくて良い 2.一部の詰まりそうなもの以外は何でも安心して食べられる 3.将来、大腸ガンになることがない(残っている直腸1.5cmくらいに発生するかもしれませんが・・・) 4.腸閉塞にでもならなければ、基本的にUCでの入院はもうない(はず)なので、頻繁に入院して職場で迷惑を掛けることがない(はず) 5.カゼをひいた時など、風邪薬や他の飲み薬が再燃のきっかけになることがない 悪かったこと 1.便回数が増えるので少し不便 2.腸閉塞になったら鼻から管を入れるのが怖い 3.手術が痛かった ----------------------------------------- 2002年5月大腸全摘手術をしました(その後) オペ後1ヶ月ちょっとの時に体験談をまとめましたが、オペをした患者がその後長期的にどうなるのか興味がある方も多いかと思い、その後の経過を取りまとめることにしました。 ----------------------------------------- 19.職場復帰の巻 退院して3週間ほど経ち、いよいよ職場復帰することになりました。再燃して入院して以来3ヶ月も休んでいたため体力が相当落ちており、マイカー通勤で1時間もかからないのですが、職場に到着すると肩で息をする程バテてしまうような状態でした。仕事はデスクワークが中心なのですが、机に向かっているだけで体力を消耗していくのがよくわかり、「遊びで1日中出歩いても大丈夫だったのに・・・・仕事と遊びではやっぱり違うんだな。」としみじみ感じました。 ----------------------------------------- 20.お腹が張るの巻 退院して1ヶ月も経たない頃から、どうもおかしなことに気付き始めました。お腹が張って痛むことが頻繁にあるのです。もともと大腸があったときから、食べる時の癖なのかゲップがあまり出せないためなのか、触診で「だいぶガスが溜まってますねぇ」といつも言われていました。これはイレウス(腸閉塞)の症状なのか????便は1日10回以上出ているのに張って痛い・・・。ガスが1箇所に停滞してしまって動かないような症状、これが頻繁に発生し始めました。 そして原因が何となくつかめたのはある休日のことでした。平日は仕事で疲れきってしまうので、休みの日は1日中ゴロゴロしていました。その日の食事は朝からおかゆのような消化のよいものや飲み物ばかりで、ろくに固形物は摂っていないような状態にもかかわらず、夕方からお腹が張り始めたのです。「もしかして、あまり動かないでゴロゴロしてると腸の動きも悪くなって詰まり気味になるのかな?」そう思って自分の体調を気をつけて見ていると、やはり休日にゴロゴロしている時に詰まり気味になることがわかってきました。 それならば、腸の動きを良くすればいい、ということで、Y市民病院に外来で行った時に大建中湯(だいけんちゅうとう)という腸の動きを良くする漢方薬を処方してもらいました。この大建中湯は、オペ後の腸閉塞防止によく使われる薬で、かなり重宝しました。 ----------------------------------------- 21.情報不足で困惑の巻 大建中湯を飲んでいるにもかかわらず、また、1日中ゴロゴロしているわけでもないのにイレウス(腸閉塞)の症状は頻繁に起こりました。病院食で言うところの5分粥を半分食べたくらいで詰まり気味になるような状態だったので、カロリーメイトのドリンクや10秒チャージの某ゼリーなど、とにかく詰まらずに栄養を摂取することを考え、何とかしのいでいるという日々でした。 インタ−ネットで情報を収集しようとしましたが、役に立つ情報はほとんど得られませんでした。今でこそUC外科治療に関するメーリングリストがあり、本当にいろいろな情報が得られますが、UCで大腸全摘した人自体が何万人もいるわけではないし、その中で同じようにイレウスで苦しんでいて、なおかつネット上に出て来る人なんてほとんどいないと考えると、無理もなかったのでしょう。 ----------------------------------------- 22.腸閉塞で入院の巻 イレウスの症状としては、お腹が張って痛い、それがもっとひどくなると吐き気がしてくるのですが、吐くほど詰まったことが2回ほどあり、そしてオペ後3ヶ月が過ぎた7月、ついにやってきました・・・・本格的なイレウスです。何時間も便やガスが全く出なくなり、痛みのため一人で歩くこともできないような状態でした。夜中にタクシーで1時間かけてY市民病院へ行き、レントゲンを撮ると当直の医師は「これはスゴイ!完全に詰まってますね。」 ・・・仕方なく鼻からオペの時に入れたあの管を入れ、入院することになりました。 この管を入れることによってお腹の張りは一気に良くなりましたが、やはり猛烈な吐き気は耐え難いものでした。のどに指をずっと突っ込まれているような感じと言ったらよいでしょうか、眠いので寝ようとしても「ゲェェェ〜、オエェェ〜」とその夜は大騒ぎでした。いわゆるのどの反射ってやつですね、これが私の場合、特に強いようです。以前、胃カメラを飲んだときも「オエェ〜、ウエェ〜!」と大騒ぎでしたから。 ----------------------------------------- 23.祝・開通!の巻 管を入れて2時間くらいした時、あまりの吐き気に耐えられず、自分で管を引き抜いてしまいました。私のこの勝手な行動を当直のナースはすばやく察知し、 「抜いちゃったんですか?もう・・・・」 「すいません。またお腹が張って痛くなったら入れますから・・・・」 「先生に聞いてきます。」 そして数分後、医師からOKが出ました。ほっとしてそのまま1時間ほど眠り、明け方の4時頃に便意を感じたので「もしや・・・」と思いトイレに行くと、詰まっていたものが大量に出て、バッチリ開通しました!その2時間後にもまた大量に放出し、そのまた3時間後にも大量放出! お腹がペッタンコになりました。この時私は、「ゲーゲー吐いて腹筋を散々動かして、胃もずいぶん動いたから、小腸もそれにつられて動いたのではないか」と思いました。 そしてこの時以来、詰まり気味の時は自分で指をのどに突っ込んでわざと吐くことにしました。ちなみにイレウスの時は手術用の管で済めばラッキーです。重症になると、イレウス管と呼ばれるもっとずっと太い管を鼻から腸の詰まっているところまで入れて、吸引することもあります。これはまさに拷問です・・・・明け方に開通し、その日1日は絶食でしたが、翌日の朝食から3分粥が始まり、昼食からはもう5分粥、翌日は全粥となり、結局4泊5日の入院でした。 退院の時、ラコールという栄養剤、ガスコンというガスが発生するのを抑える薬を処方してもらい、しばらくラコールを補助食として、通常の食事は少なくすることになりました。友人には「結局、前より強い食事制限して、手術した意味ね〜じゃんかよ!」と言われていましたが、私にとっては食べる楽しみより鼻から管を入れる苦しみの方が数倍大きいので、当分このままでいいや、と思っていました。 ----------------------------------------- 24.再手術?の巻 退院して10日後、外来に行ってきました。退院後も何度かプチ・イレウスになっていたことを先生に話すと、「癒着が原因であまり頻繁に詰まるようなら、癒着を剥がす手術を考えた方がいいかもしれない。」と言われました。 しかし、癒着を剥がすためにお腹を開けば内蔵が空気に触れてまた癒着しますから、結局同じではないかと思いましたが、癒着により腸閉塞を起こす確率が例えば10%だとすると、その10%に入った人が手術で癒着を剥がして また腸閉塞を起こす確率は10%の2乗になるわけで、つまり確率としては1%くらいの確率になる、そういう考え方でいいと思う、とのことでした。 この時私は、「小腸のどこかが折れ曲がった形で癒着していて、そこが詰まる原因になっているんだ。しかも詰まると2回痛くなることが多いから、2箇所折れ曲がっている所があるんだ。」と確信していました。 ----------------------------------------- 25.小腸造影の巻 癒着を剥がす手術をする前に、本当に折れ曲がって癒着しているのか、つまり通過障害がどこかにあるのか、小腸造影検査をしてみることになりました。胃から小腸を全て空にして造影剤を流し込むので、大腸があった頃のように下剤を飲みました。 検査の方法ですが、またしても鼻から管を入れます。ただし、造影剤を流し込むためだけのものですから、糸のような細い(と言ったら言い過ぎかな?)管でした。クローン病の人が夜間寝ながらエレンタールを鼻から流し込むのに使う管です。 その管を鼻から入れ、造影剤をどんどん流し込んでいきます。先生の指示に従って検査台の上で横を向いたりうつ伏せになったりしながら検査は進みます。小腸が芋虫のように蠕動(ぜんどう)している様子がリアルタイムではっきり見えます。20分くらいかかったでしょうか、造影剤がJパウチまでたどり着き、先生は「通過障害なんか全く無いよ。全然異常なし。こんな状態で詰まるわけが無い。詰まる詰まると思っているから詰まるんだよ。」と言われましたが、そういうものなんでしょうか???? 何はともあれ通過障害はないということが分かり、癒着を剥がす手術をする意味もないということになって気分がかなり楽になりました。 ----------------------------------------- 26.栄養剤卒業の巻 通過障害が特にないと分かった後も、ラコールやエンシュアリキッド(これも栄養剤)を飲みながら詰まらないように気をつける生活を送っていました。この頃になると、これを全部食べたら詰まるかな、このくらいなら大丈夫だな、と自分でわかるようになってきて、徐々に詰まり気味になる回数が減ってきました。そしてオペから9ヶ月経った12月、大建中湯は飲んでいましたが、もう栄養剤なしで大丈夫だろうということになり、栄養剤を飲むのを終わりにしました。 ----------------------------------------- 27.腸閉塞の原因の巻 振り返ってみると、なぜ通過障害がないのにあれ程頻繁に詰まり気味の症状が起きたのか、という疑問が残ります。小腸造影をするまでは「小腸が折れ曲がって癒着しているんだ」と確信していましたが、結局関係なかったわけで、結論としては手術前に長期間絶食していたことや、手術で小腸を切ったり縫ったりしていじくりまわした影響で動きが悪くなっていたのだと思っています。手術をした人は「最初の1年くらいは詰まったり何となく調子が悪かったり、いろいろあるものだ。」と言いますが、まさにそのとおりだと思いました。 ----------------------------------------- 28.UCから卒業の巻 その後は大建中湯やガスコンを、調子によって飲んだり飲まなかったりしながら、特に詰まり気味になることもなく、徐々に調子は良くなっていきました。そして手術してから1年2ヶ月が経った15年6月頃には、薬を飲む必要は全くなくなり、8月の外来を最後に定期的に通院することも終わりにしました。その際、ステロイドの影響によって下がった骨密度を測ってみたら、標準値の70%程度だったものが85%くらいまで上がっていました(ちなみに70%以下だと骨粗鬆症といわれるそうです)。特にカルシウムを意識して摂ったわけでもないのですが、1年でこのくらいまで回復したのだから、もう1年くらいすれば標準値に戻るのではないかと期待しています。 特定疾患受給者証の期限が9月末で切れましたが、特に通院する必要もないため、申請しませんでした。今後もイレウスの可能性が全くないわけではなく、また、術後の長期合併症として回腸嚢炎(かいちょうのうえん。Jパウチに原因不明の炎症が起きる)や胆石・結石などがあるかもしれませんが、ひとまずUCからは完全に卒業できたと思っています。 ----------------------------------------- ※注釈  なお、この体験談はかながわコロンの会報総集編にも掲載されています。 潰瘍性大腸炎、大腸全摘手術の術後 踊れ難病患者 トキ@姫路 僕は劇症型の潰瘍性大腸炎の為に兵庫医大で大腸全摘・回腸肛門吻合術(IAA)を受けました。 手術が全て終わったのは1997年ですので、術後7年が経過しています。 手術の体験談はもっと最近に最新の手術された方のものが良いと思いますので、術後の体験談をさせていただきます。 ----------------------------------------- ■術後3ヵ月 やはり退院直後はトイレの回数が多く、毎日15〜20回くらいはトイレに行っていました。 これは体が回復しきってないのも有りますが、休職して自宅療養で暇な上に部屋の隣がトイレで、我慢などせずに簡単にトイレに行っていたのも回数が多い要因でした。 トイレ回数が非常に多かった為にお尻が荒れて痛く、病院で貰った軟膏は手放せませんでした。 軟膏・ウォシュレット・円座クッション、これらは術後しばらく必需品です。 (お尻が痛い時はペーパーで拭かずにウォシュレットで洗って温風で乾かすのも良いですよ) また、週に2-3回は夜寝ている時に便漏れがありました。 起きている時は、不意のクシャミやしゃがんで力仕事をしたりしなければ、大体は漏れずに済んでいました。 夜の漏れは「夜遅くに食事をしない」「寝る前に水分を取らない」「寝る前にかならずトイレに行く」などに気を付けるのと同時に、漏れた場合に被害を少なくする為に「パッドやオムツをあてる」「防水シーツを敷く」「安い布団にする」「横向きに寝る(気付き易く汚し難い)」などの対策もした方が良いです。 僕は9月末の退院したのですが、それから約3ヵ月は自宅療養しました。 体力的にはすぐに会社に行けたのですが、トイレ事情がまだ不安だったので結局職場復帰したのは正月が開けてからでした。 一応漏れた時の為にパッドをあてて、職場のロッカーには着替えを常備していました。 最初はトイレ回数も多くて仕事中に何度もトイレに駆け込んでいたのですが、1週間2週間と経つ内に段々と回数が減って行きました。 ご飯を食べた時間にもよるのですが、3時間くらいはトイレに行かなくて済む様になり、1日の回数も10-12回くらいで、行きたくなる時間も大体決まってきました。 また、以前なら「トイレに行かないと」と思ったらすぐに行かねばヤバかったのですが、もよおしてから10分や20分は我慢できる様になりました。 やはり、なかなかトイレに行き難い状況が肛門括約筋やJポーチを慣らして行ったんだと思います。 (ただし、あまりに無茶な我慢を続けると人によっては圧がかかって瘻孔が開いたりするので我慢もほどほどに) ----------------------------------------- ■インフルエンザ 会社に復帰してしばらく経った頃、社内でインフルエンザが流行り、僕は速攻でウイルスを貰ってしまいました。 ある程度体力がついて来ていたので「大した事無いだろう」と思っていたのですが、酷い高熱と下痢と声が変わってしまう程のセキで2週間以上寝込んでしまいました。 術後は体の筋肉などの外的な体力は回復していたのですが、大腸全摘手術の為に内臓や循環器などの内的な体力は全くの人並み以下の非常に打たれ弱い体になっていたのです。 特に体内の水分循環や電解質のバランスが一度崩れると、ひどい脱水を起こすくらいまで一気に大崩れします。 電解質や水分の補給にとスポーツ飲料などを飲んでも、飲んだ端から全部下痢で出てしまって追い付かないので、近所の病院で点滴を打って貰うしかありませんでした。 主治医に聞いた話ですが、大腸のある人なら3日程ひどい下痢になれば脱水で点滴が必要になるのが、大腸が無い場合は1日ひどい下痢になっただけで同じくらいになれるそうです。 それ以来これらの事に気をつけるようにしています。 「風邪を貰わない様に流行期はマスクやうがい手洗い等で予防する」「電解質と水分補給にはホットのアクエリアスと梅干茶」「風邪を引いたら軽いうちにすぐ病院へ」「下痢が酷い時は毎日近所の病院で点滴」 ----------------------------------------- ■術後8ヶ月 術後半年を過ぎて大体のトイレ回数が落ちついてきました。 朝起きて・朝家を出る前・午前中に一回・お昼を食べて・午後に一回・帰宅後・夕食後・寝る前 大体これに多くても1-2回プラス程度1日8-10回くらい、生活のリズムに合わせた回数になってきました。 多い様に思われる人も居ると思いますが、術後のトイレの感覚は「用事の前にちょっとオシッコ行っておこうかな」といった感じに近いので回数的に苦痛はありません。 ※大腸が有る頃の便意は「漏れる!したい!!」という心の底から込み上げてくる本能的な欲求でしたが、術後は「溜まってきたな、そろそろトイレに行っておこう」という頭で解る理性的な認識に変わります。 この頃には一回トイレに行っておけば3-4時間くらいはトイレに行かずに済む様になっていたので、映画を見たり電車や車での長距離移動やトイレの無いアウトドアなバーベキュー等が不安無くできる様になりました。 ----------------------------------------- ■転職 実はこの頃には新しい職場に変わっていました。 というのも、正月明けに2週間ほど寝込んで仕事を休んだ事で「職場復帰しても使い物にならない」と会社に判断され退職を迫られたからです。 いやぁ、ほんと揉めに揉めました、特に揉めたのが休職中の社会保険料でした。 一年くらい休職していたのですが、その間の社会保険料をどうするかで揉めました。 社会保険料は毎月労働者個人と会社とで半々を負担しているわけですが、当初は会社が一旦全額を立て替えて払い、後で労働者負担分を分割で会社に払うという口約束をしていました。 ところが退職が決まった途端に「会社負担分の社会保険料も払え」と言われまして、年商40億を豪語する会社の社長の奥さん(経理)や弟(常務)が家に何度も取立てに来る事態に。 結局、個人負担分の一部は払いましたが、離職表は嫌がらせで貰えませんでした。(失業保険の手続きができず失業手当は貰えませんでした) 外科・内科関わらず傷病保険や休職を手続きされる方は多いと思いますが、トラブルにならない様に気をつけましょう。 新しい会社の面接を受ける時は、病気や手術の事は軽く言っただけで細かい説明はしませんでした。 「腸に潰瘍ができまして、それでちょっと腸を切りましたが、今は全く元気です」 履歴書の健康欄には『現在健康優良』と書きました。 まぁ、7年前は潰瘍性大腸炎はほとんど知られていませんでしたし、入院するほど体調が悪くならない自信もありましたので。 新しい会社は1ヵ月の半分が出張という職場でした。 当然ビジネスホテルを泊まり歩く事になり、最初は夜漏らさないか非常に心配でした。 一応、バスタオルを腰シーツの様に敷いて寝るんですが、夜中に目が覚める事はあっても、一度も漏らす事はありませんでした。 やはり適度な緊張感が、お尻の訓練と、いつでも気付いて起きれる浅い眠り方の習得に繋がったのだと思います。 ----------------------------------------- ■術後1年 体的には半年を越えた辺りからあまり変わりませんでした。 ちなみに整腸剤や下痢止めなどの薬は何も飲んでいませんでした。 大体3ヶ月・半年を節目に体調が安定して、それ以降は落ちついてしまって目に見えるような変化は無いようでした。 体調が安定してきて自信も付いて来たので、芝居に復帰しました。 2時間半の舞台でダンスが13曲もある芝居を二日で三回上演。 しかも配役的に僕は10曲も踊らなくてはならない事に…、これは普通の人でも舞台裏に酸素ボンベを置いても良いくらいハードです。 休日などは夏場の炎天下のもと朝から夜までアクエリアス1.5gを片手に練習することになりました。 さすがに軽い脱水にはなったりしましたが、公演終了まで病院にかかったり入院する事態にはなりませんでした。 術後の人は格闘技やトライアスロンレースなどは無理ですが、ハーフマラソンや頑張ればフルマラソンくらいはできるんじゃないでしょうか。 ----------------------------------------- ■術後3年 やはり、3年経っても体調的には特に変化がありませんでした。 1日のトイレ回数8-10回、週に1-2回程度夜に漏れる、そんな感じです。 病院への通院もこの頃から全くしなくなり、特定疾患の手続きもやめてしまいました。 働いていると、平日の午前中に大学病院に書類を持って行ったり貰いに行ったり、何度も休むのが難しかったので…。 (でも入院しないといけないようなトラブルが起こらないとも限らないので特定疾患は継続しておく方が良いですよ。) この頃、僕はとある強引な営業でコピー機を売る事で非常に有名な会社の関連会社で働いていました。 ちなみに前の会社は1ヵ月の3/4が出張になり、更に出張が増えそうだと言うので辞めました。 えーと、なんか僕は会社を見る目が無いんでしょうか(;´Д`) とても営業力が要求されるノリが応援団みたいな会社で怒号や罵声が飛び交う職場なんですが、幸い営業成績は社内イチニだったのですぐに係長になっていました。 係長になってからは毎日帰るのは終電ギリギリで、終電も終電の後の寝台列車にも乗れずに会社に泊まる事もしばしばでした。 朝の通勤時などはホームで「あぁここで飛び込んだら楽になれると思って皆飛び込むんだろうなぁ」と思う日々が続きました。 まぁ結局、僕が過労死する前にこの会社が倒産してしまったので事なきを得ましたが…(でも残務処理は大変でした) 手術すれば過労死できるくらい働けます。 ----------------------------------------- ■術後6年 ここ数年は特に体調の変化なく来ていたのが、ふと気が付くとほとんど漏れなくなっていました。 前年は週に1-2回漏れてたのが、月に一回漏れるか漏れないか、芝居の練習時期で練習後に飲みに行かなければ3-4ヶ月は漏れないようになりました。 急に漏れなくなった場合に「お尻の穴の繋ぎ目が狭くなって来ている」というトラブルになっている事もあるので最初は不安でしたが、そうではなかったようでした。 大腸が無くなると、小腸の細胞が変化して水分吸収力が上がったり、本来無い電解質の吸収能力が備わるそうです。 もしかすると、そういった細胞レベルでの体質が時間をかけて変化してきたのかもしれませんね。 ※ちなみにお尻が狭くなると、通過障害を起こし最悪の場合便が通らなくなるので要注意です。 症状的には「便がとても出難い」「出ないわりに回数が多い」「残便感がいつもあってお腹が張る」などで、すぐに主治医に相談しましょう。 治療にはブジー管という棒を入れて広げます。 ----------------------------------------- ■風邪?脱水?ステロイド離脱症状? 風邪には気をつけていたのですが、その日は知り合いの女性(オペ済みUC)と芝居を観に行くので無理をしてしまいました。 家を出る頃に軽い風邪でセキと微熱があったのですが「まぁこれくらいなら大丈夫だろう」とタカをくくっていたら、劇場の席に座ってから急に頭痛・吐気・動悸・息切れが激しくなってきました。 ついには席におとなしく座っている事もできないくらいになり、ツレの芝居鑑賞を邪魔するのも悪いと思い、一人でホールを出てすぐの通路のソファーで真っ青な顔でグッタリ座っていました。 しばらくするとツレの人が心配して様子を見に来てくれました。 こういう時に解っている人が居ると非常に助かります、すぐに携帯で元兵庫医大の先生の病院に電話をかけてくれました。 やはり何かあった時の為に携帯に病院の電話番号くらい入れておかないとダメですね、それまで僕は携帯に番号を入れてませんでした。 しかし残念な事に、時間的に遅くて処置をしようにも看護婦さんも帰った後で入院設備もないので、診察できないということでした。 でもまぁ電話診察とはいえ、専門医に症状を話して指示を出してもらえれば精神的には落ちつきました。 兵庫医大の方に行こうかという話もしていたんですが、そうこうしているうちに症状が楽になってきたので、まぁ何とか車の運転を代わってもらって帰宅できました。 今思うと、あの急激な体調悪化はもしかしたら「ステロイド離脱症状」だったのではないかなぁとも思ったりします。 普通はステロイドを切ってから2年くらいステロイドの離脱症状の発作が起こる可能性があるそうなのですが、術後10年近いのに離脱症状が出た患者さんも居るそうです。 ※ステロイド離脱症状:副腎皮質からのホルモン分泌が悪くなり、倦怠感・頭痛・吐気・血圧低下等を起こす事があります。ステロイドを急に止めたりすると起きたりします。 ----------------------------------------- ■皮下膿瘍 凄くたまにオペの傷の近くのお腹の中でシコリのような物ができたりしていました。 特に痛くもかゆくもなく、大体はしばらくすれば無くなったりしていたので、それほど心配はしていませんでした。 ニ三度、お腹の傷にオデキのようなものができて、そこから膿と一緒に手術の糸の結び目が出てきた事があったので、似たようなものかなと思ってました。 ひとには「調子悪くなったら早く病院に行かないとダメですよ、早くかかれば早く治る。我慢してても絶対良くならないですよ」とよく言うのに、今回は自分が我慢できなくなるまで頑張ってしまいバカを見ました。 最初は1-2cmくらいだったしこりが日を追うことに大きくなって、それにともない段々痛くなってきたのです。 しまいにはお腹に妊娠線が出るほど腫れ上がり、熱が38度出ました。 「あ、あかん、これは絶対に膿んでるから熱が出てる。しかもかなり膿が溜まってる」車を2時間飛ばして元兵庫医大の先生の病院に行きました。 兵庫医大にかかった方が良いくらい悪いとも思ったんですが、外来日や診察時間が決まっている大学病院よりも平日19時まで診察してくれる主治医の病院の方が行きやすかったのです。 「よくまぁここまで我慢したもんやな、すごい膿たまってるわ、これはお腹に穴あけてドレイン(膿を出す管)入れらなあかんな」主治医に呆れられてしまいました。 痛い場面は見ないことにしているので、工事現場は見てなかったのですが、局部麻酔を打ってメスで切るとドバドバと血膿が出ていたようです。 なんかのエステみたいにお腹をこねくり回されて、のう盆が血膿でいっぱいになってました。 毎日ガーゼ交換する必要があるので「兵庫医大に入院する?」とも言われたのですが、入院も特定疾患再申請もややこしいので通院で処置してもらうことに…。 治療は化膿止めを飲んで、酸性水をドレインチューブから注入して膿を洗い出します。(特に痛い処置ではありませんでした。) 酸性水はいわゆるアルカリイオン浄水機で副産物として作れるのですが、ペーハーの酸性がかなり強くないと洗浄治療には使えません。 これは酸性が弱いと感染を起こすからだそうです。 クローンの方で肛門部に瘻孔がある人や、UCの術後のトラブルで肛門周囲膿瘍を起こした人なども同じように酸性水で洗うのですが、専用の浄水機(市販品では難しい)を買って家で自分で毎日やるそうです。 流石に往復4時間かけて毎日通うのは大変なので二日に一回通院して酸性水で洗浄して、ガーゼ交換は近所の町医者でやってもらいました。 お腹にあけた穴に肉が盛って埋まってくれば、入れてあるドレインチューブを段々と短くして行って、それが抜けて治るまでに1ヵ月はかかるんじゃないかという診立てでした。 が、しかし、なかなか膿も止まらず、穴が埋まらない…。 やはり、「これは毎日洗浄しないとなかなか改善しない」ということで、毎日2回自宅で自分でドレインに酸性水を流し込んで洗うことになりました。 結局、完全に穴が塞がるまでには3-4ヶ月かかりました。(3カ月ほど休職しました) 膿瘍ができた原因はどうも手術の糸がお腹の中で感染症の原因になっていたようです。 というのも「なかなか治らないなぁ」とお腹の穴をピンセットでほじくり返されている時に糸の結び目が出てきて、その後傷の治りが良くなったからです。 ちなみに普通の人は大体は溶ける糸を使っているので、こういう事態にはそうそうならないそうです。 一緒に外来に行っていた仲の良いオペ済みUCさんが、僕が処置を受けている間に先生と話してました。 「先生、どうして糸が出てくるんですが?溶ける糸とかじゃないんですか?」 「普通は溶ける糸を使うけど、あのお腹じゃ無理!糸が切れちゃうから太い特別な糸を使わないと」 「あははは、あのお腹にも困ったモンですよねー」 「わはははー」 いや、あの、二人して人のお腹で盛り上がらんで下さい(;´Д`) ----------------------------------------- ■7年目におけるオペの感想 7年経ってみて思うのですが、僕の場合はオペして本当に良かったなぁと思っています。 体的に良くなったのはもちろんですが、再燃や入院の心配をせずに何にでも兆戦できました。 ちなみにこの7年間でやった事としては、やった芝居21本(役者3演出3音響15)・作った劇団1個・作った患者会1個・入った会社3社(倒産2)・できた恋人3人(失恋3)。 なんか芝居ばっかしやって遊んでたダメ男とも取れなくもないですが…(;´Д`) 「せっかくオペして何でもできるようになったんだから、頑張らなくっちゃなぁ」という前向きな考え方が原動力になりました。 よく言われるQOL(quality of life:生活の質)ってトイレの回数で語られがちですが、こういう精神的なものも重要なんじゃないでしょうか。 ----------------------------------------- ■最後に 内科患者の方へ。 内科医に手術の話をされたら、それはもう内科治療に限界が見えてきているという事です。 オペの事や、オペはどこの病院で受けるのが良いのか等の情報を集め始めてください。 実際にオペを受けるかどうかは別にして、いざという時に困らない様に。 そして、もし、手術をする事になったのなら、できるだけ体調が良い状態で有名病院で手術する事をお薦めします。 UCの手術は最近ではあちこちの病院で手術をやっていたりしますが、まだまだ珍しくて難しい手術です。 執刀数が少ない病院では不完全な手術しかできなかったり、何かトラブルがあった時に経験不足で対処できなかったり、術後のトラブル発生率が高かったりする事があります。 横浜市立市民病院外科・三重大学医学部付属病院消化管外科・兵庫医大付属病院第二外科・広島大学病院第一外科などが執刀数が多くて有名な病院です。 術後患者の方へ。 僕はやった事がないので上では書きませんでしたが、術後のトラブルで回腸嚢炎というものがあります。 これは回腸嚢(Jポーチ)が炎症を起こして、下痢やトイレ回数が増える・お尻の奥(尾テイ骨のあたり)が重く痛い・ピンクの膿や血が出る・微熱、などの症状が出たりします。 発症してしまったら医者にかかって診てもらわないとだめなんですが(フラジールという抗生剤で治療します)、発症の予防にヤクルトミルミルが良いと言われています。 (もちろん、ミルミルでお腹を壊したりする場合はやめた方が良いですが) 他にもカスピ海ヨーグルトで「ガスが溜まってお腹が張るのが良くなった」「今まで臭かったガスのにおいが改善した」という方も居たりします。 毎日取る必要はないですが、たまに善玉菌を補給すると良いんじゃないでしょうか。 あと、もし慣れていない病院で手術をして、術後のトラブルで調子が良くないという方は、兵庫や三重で一度セカンドオピニオンを受けて診立てをしてもらってはいかがでしょうか? 良くなるという確証は有りませんが、もしかすれば改善するかもしれません。 どんな状況でも希望を捨てずに前向きにがんばってください。 ■外科手術関連ホームページ 横浜市立市民病院 http://www.city.yokohama.jp/me/eisei/s-byouin/index.html 三重大病院消化管外科 http://www.medic.mie-u.ac.jp/geka2/kusunoki/frame.html 兵庫医大第二外科 http://www.hyo-med.ac.jp/department/srg2/2sindex.htm 広島大学病院第一外科 http://home.hiroshima-u.ac.jp/geka1/ 潰瘍性大腸炎、手術選択への道のり(外科患者HP) http://homepage3.nifty.com/yssh/uc/1_beg/1_beg_frame_1.html 踊れ難病患者(外科患者HP) http://www.geocities.co.jp/Colosseum-Athene/4096/index.html 潰瘍性大腸炎掲示板(携帯可) http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/sports/15499/ オペ済み潰瘍性大腸炎患者 『お茶会』のお知らせ 主催 潰瘍性大腸炎外科患者連絡会(UC-OB会)                       UC-OB会 トキ@姫路 ■内容 オペ済み患者の病院・トラブル・生活情報・体験談などの情報交換や、患者同士の交流が目的です。 まったりとお茶を飲みつつ御歓談ください。なお、別途にお茶・菓子代としてお一人様300円を当日に申し受けております。 ■参加資格 オペ済みUC患者。また、オペ済み患者に話を聞いてみたい内科治療中のUC患者・家族の方もOKです。(医療従事者ではないので、診断や医療相談はできません。あくまで体験談を話せる程度です。) ■開催予定日程 2005年 3月20日(日) 横浜  時間・場所は未定です。詳細は1/20以降にお問合せ下さい。 2005年 9月18日(日) 福岡  時間・場所は未定です。詳細は7/18以降にお問合せ下さい。 2005年 9月19日(祝) 広島  広島市南区民文化センター大会議室B 13:30〜17:00 2005年11月23日(祝) 神戸  時間・場所は未定です。詳細は9/23以降にお問合せ下さい。 ■問合せ・参加申し込み お問合せ・申込みは下記までお願いいたします。 ホームページ:http://www.geocities.co.jp/Colosseum-Athene/4096/uc-ob/index.html メールアドレス:toki@mh1.117.ne.jp 参加申込みは開催二日前までに「参加希望人数・希望開催地」を書いたメールを送って下さいますようお願いいたします。