第2話「診察」

家の近所にはI田病院という、めっぽう年寄りに人気のある医者がいる。
非常に気さくな先生らしく年寄りの話を「うんうん」と良く聞いてくれるらしい。
一部では「神様のような先生や」と言われているらしいので、ちょっと見物がてら診てもらいに足を運んだ。
噂通り待合室は人でいっぱいだ、やはり年寄り連中が沢山いる。
老人A「吉田さん、最近見いひんなぁ」
老人B「なんか風邪ひいて調子悪いんだと」
などと「なんでやねーん!」とツッコミたくなる会話をしている。

患者が多く、診察終了時間をかなり回ってから、ようやく名前を呼ばれた。
診察室に入ると確かに優しくて物腰の柔らかそうな初老の先生が待っていた。
「あぁ早く帰って寝たいよ、今晩も夜勤なんだよなぁ」と思いつつ、とりあえず自分の症状を先生に説明する。
急に腹痛が起こること、血便が時々出ること、便が出そうで出ず透明の粘液が代りに少し出たりすること、体がだるいこと、などを話す。
その後、簡単に脈拍や体温を計ってから、以外と簡単に先生の口から病名が出てきた。
「多分、クローン氏病か潰瘍性大腸炎でしょう。詳しい検査をしないとハッキリしませんが…、ウィルス性の大腸炎の可能性もありますしね。」
結局、この病院では検査の設備が整っていないので、翌日、同じ系列のもっと大きい病院で大腸の検査してみる事を取り決めた。
  
とりあえず、そのあと処置室で点滴を1本打ってもらった。
点滴をベットで打たれながら「やった!これでしばらく会社休めそうやん!!」
「でもなんかクローン病ってヤツはなんか怖そうやな、潰瘍性大腸炎の方がマシか?」
「あと、癌とやったらドッチがええんやろ?癌は嫌やなぁ癌は。」
「それにしても大腸の検査ってどないするんやろ?なんか下剤飲むって言ってたな、やっぱファイバースコープをケツに突っ込まれるんかな?うーん最悪。」
などと何も知らない僕は、余裕ないくせに妙に余裕のある事を考えていた。