第3話「検査」

大腸を検査する場合「カメラ」と「造影(透視)」の2つのコースがある。
潰瘍性大腸炎患者にとっては、どちらも非常にツライ検査となる。
カメラはファイバースコープをお尻に突っ込まれるのだが、中で空気を送って広げて覗いたりするので、潰瘍だらけだったりするとメチャクチャ痛い。
しかしカメラは「痛そうか痛くなさそうか」が見たまんま解るので、まだマシだ。
造影はバリウムをお尻から注入して、その影を撮影するので、患部がどうなっているかが解りにくい。
そのため潰瘍があろうが出血してようが容赦なしでバリウムを入れられまくったりするので、ヘタな人にされると失神ものだ。(まぁ潰瘍性大腸炎と解っていたら症状を悪くするので、普通は「ここ一番」って時以外あまりやらないんだけどね。)
  
僕は、前日予約した市内のE病院へ夜勤明けと絶食でヘロヘロになりながら大腸の透視検査を受けに行った。
服を検査服に着替える、長い浴衣っぽい服とコレ見よがしにお尻に穴の開いた使い捨ての紙パンツだ、「ううぅヤだなぁ」と思うが仕方ない。
冷たい検査台に上がって横向きに寝るとワセリンをお尻に塗られる。
「はい力抜いてねー」「はっはうぅっ!!」お尻にバリウムを注入するチューブを突っ込まれる、恥ずかしいという感情よりも痛さの方が勝っている「イテテテ」。
かなり痛かったが本当にツライのはこれからだった。
バリウムを容赦なくドンドン入れられるのだ、なんだかディグダグのプーカの気分がちょっと解ってしまう(*ナムコの古いゲーム。穴を堀進み怪物をポンプで膨らます)
そしてまんべんなくバリウムが行き渡るように、痛いのをガマンして指示通りに体の向きを変えさせられ、さらに検査台自体をぐるぐる回される。
眉間にシワを寄せ歯を食いしばって、ひたすらお腹が痛いのを堪える、今までにない苦痛だった。
「ぐぉっ、やめろーショッカー」
こんな時にすらくだらんコトを考えてしまう自分のいまいましい芸人根性にツッコミをいれながらとにかく堪えた。
 
拷問の様な検査が終わると一人で立って居られない程フラフラになってしまった。
挙句、検査技師(先生?)に片腕を支えられながら油汗びっしょりで検査室を出る事に。
「キミ大丈夫か?」という問に内心「いや、アンタのせいやんけっ!!」と思いつつも
「あはあは、だいじょおぶですよ、えへへ」と引吊った笑顔なんかふりまきながら…。