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あれからもう1回動脈注射をやったが症状は一進一退、転げ落ちるのを大量のプレドニン(1日120ミリ!)でかろうじて抑え込んでいるといった様相だ。
症状は1日7-8回の血便・微熱・不正脈(モニターを付けていた)・貧血(検査にも車椅子でないと行けない)・中毒性巨大結腸症(合併症:腸がぱんぱんになる)・といった状態で、治療はプレドニン・ペンタサ・造血剤・整腸剤・絶食で高カロリー点滴・脂肪分の点滴・免疫抑制剤を使っていた。
病棟内でも1・2を争うほど目を離せない患者になっていたので看護婦さんには結構優しくしてもらった。
もともと「若い男の患者」は、ほとんどいなかったので余計可愛がってもらえたのかもしれない。
僕はK田さんという看護婦さんが好きだった、例の「オムツ事件」の看護婦さんだ。(言っておくが恋愛感情とかじゃないぞ)
30ウン才独身、アネゴ肌の看護婦さんでエジプトとかが好きらしく「グラハム=ハンコックの神々の指紋」とかの話題で盛り上がった。
彼女は脈拍を取る時や注射をする時は、イスを持ってきて横に座ってゆっくりする。
注射は点滴のチューブのターミナルに注入するのだが、「早いスピードで入れられると冷たいでしょ」と気を使ってくれるのだ。
脈を取る時も、手(といっても手首だが)を長く握ってもらうととても嬉しい。
スケベおやじ的に嬉しいんじゃなくて、優しさで不安が癒されるようで嬉しいのだ。
ある日、「エジプトに行った時の安物のオミヤゲなんやけどあげるわ」とK田さんに<スカラベ>をもらった。
「たしか再生とか復活とかの意味があったと思うから病気治ったらええのにね」って。
「ありがとう。俺、絶対治るから」本当に嬉しかった・・・。
スカラベは紐を通してお守りにして大事にすることにした。
<スカラベ>
いわゆる<フンコロガシ>だ。
エジプトでは「太陽はフンコロガシが動かしている」と考えられているのだが、太陽は夜になると死に翌朝には再び生き返ると考えられているので「再生」や「復活」という意味を持っているんだそうな・・・なんかスゴイよなエジプトって。
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