第28話「ストマ」

オペの夜、看護婦さんがフランジを交換するというのでストマを見てみる事になった。
あまり気が進まないが、いつかは見る事になるので、潔く拝見する事にしたのだ。
なぜかうちのオカンが「いやぁ珍しいもん見れるわ、見よ見よ!」と一人嬉しそうだ。
まったく関西のオバちゃんというのは困ったもんだ。
  
腹帯をほどいてお腹を見る、ミゾオチの5cm位下からデカイ縫目が続いている。
黒くて太い糸がとても痛痛しい。
下の方には「粘液ろう」という直腸のはしっこがタラコみたいなのが有り、ヘソの右に5cm位横にはウメボシのような「ストマ」が付いている。
「いやぁーコレ梅干しみたいやわぁ、これ何?腸が出てるの?」
・・・やれやれだ。
お腹の上は結構エライ事になっている、かなり刺激的だ。
後で聞いた話だが、女の人で初めてお腹見た時あまりのショックで、オペ直後にも関わらず取り乱して大暴れした人がいるらしい。
確かに女の人には刺激が強いかもなぁ。
  
「なかなか丸くて形の良いストマね」
看護婦さんによれば、真ん丸で上向きのストマがケアしやすくて良いらしい。
「人によったら[ピーちゃん]とか名前つけて可愛がってる人もいるのよ」
「なんで[ピーちゃん]なんやろ?」
「いっつも下痢ピーするから[ピーちゃん]だって」
「ははは・・・(笑えん)」
  
フランジを外してお湯で濡らしたガーゼでストマを洗浄する。
不思議なコトにストマに触られても全然痛くない。
「腸には痛点(痛みを感じるセンサー)が無いから触っても痛くないのよ」という看護婦さんの話だった。
「だからこんなことしても大丈夫」って指をストマの穴に突っ込んだ。
こらこらこら!ギャラリーおるからって人の体でそこまでサービスするんじゃない!
  
そのあと新しいフランジ(ワンピースという袋と土台が1つになっている)をつけて再び腹帯を結び直した。
このフランジ交換を一人でできるようにならないと退院させてくれないらしい。