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オペも終わり元気になって来るとじっとしているのが苦痛になってくる。
夜なんか特に何ってすることが無いので病院のアチコチをウロウロ散歩する様になった。
ある夜、売店の隣のリハビリセンターの待合室で本に混ざって落書き帳を見つけた。
結構前から有ったらしく何冊かあった。
中を見ると大半はお子様による「ドラえもんらしきもの」「セーラームーンかもしれないもの」などが書きまくって有ったが、一部知性を持っている書き込みもあった。
中には看護婦さんと患者さん(知らない同士)とが悩み相談してたり、入院してから退院するまでの日記なんかがあり、そこにはドラマがあった。
インターネットをしている今でこそカキコミとかはコミュニケーションツールとしてなんとも思わなくなってしまったが、その時は凄く面白いと感じた。
日付等から最近は誰も書き込みしている感じはしなかったが、取り合えず適当に書き込みしてみた。
「まぁ日記みたいなもんだ、どうせあと2回も入院するんだから先は長いしね。」って感じ。
そのうち、高校生の女の子がこのノートを見つけたらしく、書き込みが増えていた。
なんかヘルニアかなんかでちょっと切るらしく、しばらく入院するって話だった。
その後彼女からの書き込みが無かったので「退院したんだろなー」っ思っていた。
が、しかし実際はそうじゃなかった、彼女からの書き込みがあった。
「中を開けたらヘルニアじゃなくて子宮に腫瘍ができていて子宮を全部取った」
彼女はオペが終わった後で全てを聞いたそうだ。
僕は男なので子供が産めない悲しさは解ることは出来ないけれど、彼女の文面からすごい悲しみが伝わってくる事は解った。
こんな時なんて言えば良いのだろう、同情や慰めの言葉なんか欲しくない事は身をもって解っていたが…何も書くべき言葉が見つからなかった・・・
その後彼女はだんだん元気になって退院して行った。
なんだか、健気に立ち直っていく姿に反対に励まされてしまった。
悲しい出来事だったけれど彼女にとって何らかの形でプラスになって欲しいと思うと同時に自分も頑張ろうと思った。
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