第40話「フランジ漏れ」

オペ後ストマの身になってみるとイロイロ不便なことが出てくる。
まず、うつ伏せで寝ることができない。
なにしろ便の袋がお腹に張り付いているのでウッカリ寝返りでも打ったりすればパウチに圧力がかかってパンクしたり、フランジと肌の間から漏れたりするからだ。
だから寝る時はお行儀良く寝なければいけない。
しかも小腸って夜中も勝手に動いているので、気が付くとパウチがパンパンになっていたりするので気が抜けない。
寝る前に一度パウチを空にしてから、夜中2時ごろにもう一回起きて空にする方が無難だ。
まぁ夜中にトイレに起きなくて良い人もいるが、夜に漏れる人は目覚ましかけてでも起きる方がいい。
まぁ慣れてくると「ん?パウチがパンパン?」って圧迫感で目が覚めるようになるが。
 
夜寝てるとなんだかお腹がカユイ。
「ん?なんでだろ?」お腹のあたりを触るとヌルっと冷たいものが・・・。
「んー、どうしようコレがフランジが漏れるってことか・・・」
取り合えず起き上がると余計便が漏れ出てきそうだったので、寝たままナースコールを押す。
「はい、どうしました」「いや、なんか、フランジ漏れたみたいです」
看護婦のOさんが来てくれた。

「あら、漏れちゃったのねー、ビックリしちゃった?今キレイにしたげるからねー」
なんか優しい、ちょっと子ども扱いっぽいけど。
「うん、大丈夫大丈夫。シーツは私が変えておくから、お風呂入っておいで」
「でも病院で一回漏れておけば家帰ってからイキナリ漏れるより安心でしょ?」
「ストマの人は誰でもみんな漏れること有るんだから、気にしない気にしない」
Oさんはとても優しかった、日頃はガニ股でノシノシ歩いてるのに(余計なお世話だ)。
  
まぁいい大人(大人じゃなくても)が夜中にウンコ漏らしたりすりゃへコみもするわな。
しかも人口肛門となりゃヒシヒシとみじめで悲しい思いになってもくる。
看護婦さんの心遣いが身にしみる。
「よし、今度街角で[看護婦の労働条件改善への署名活動]を見たら名前を書こう」
と思わずにはいられなかった(なんじゃそりゃ!)。