第50話「再デビュー」

前回一緒だったイシカワ君がすでに入院していないか各部屋を覗いてみる。
が、彼はどうやらまだ入院していないらしい。
知ってる人もいないようでチョットさみしい。

エレベーターの前にあるロビーというか喫煙所というか待合室というか単にソファーが三つコの字型に置いてある場所へといった。
大体ここで患者どもがタバコ吸ったり、ジュース飲んだり、夜ふかししたり、うわさ話をしたり悪だくみしたりして溜まり場になっている。
看護婦さんのイメージでは、あまり良くない不良の溜まり場みたいな物かもしれない。

一人丸坊主の若そうな兄ちゃんが、ぼーっと座っている。

「こんにちはー」
「あー」
「僕今日から入院して来たんですけど、9西に入院してるんですか?」
「うん、UCや」
「あー、じゃ一緒や、僕2期目なんやけど自分は何期?」
「俺も2期目」

さすが石を投げればUCに当たる9西病棟、仲間には不自由しない。
彼とイロイロ話してみる。
彼はT君といって同じ25歳であった、もとは自衛隊員だったらしい。
  
そのうちパラパラとタバコを吸いに来た人や、単に暇なだけの人がやってきてウダウダと、しょーも無い話をした。
阪神・相撲・競馬・・・TVがサンテレビとNHKしか入らないので話題も偏ってくるらしい。
まぁ、とりあえずロビー再デビューはしておいたので今日の所はヨシとする。
まだまだ先は長い。