第57話「ピーナツ」

同期のイシカワ君とロビーでダベっていると、UCのS君が見舞いにきた友達と一緒にやってきた。
S君は内科で長年頑張ってきたのだがリタイアして外科に上がってきた。
内科では「僕の今のプレドニン量とCRP値から言えばポテトチップは食べてもOK」とかやって再燃してたそうだからツワモノだ。
 
「オペしたら何でも食べて大丈夫なん?」
「そうやなー、再燃する大腸はもう無いから何食っても大丈夫やな」
  
その夜、トイレに行った帰り道にウロウロしてるS君に出くわした。

「あれ、どしたんS君トイレ?」
「あ、う、うん。ちょっと運動・・・」

朝になってから看護婦さんに聞いたのだがS君はイレウスを起したらしい。
昨日の夜中、彼は腸の動きをよくしようと歩いて運動してたのだ。
なんでも友達の差入れた『ピーナツ一袋全部』食って詰まったそうだ。
「鼻管から引いても引いてもピーナツだらけ!消化の悪いピーナツを一袋も一度に食べたら詰まりもするわよ、まったくもう」

うぅ、やはり俺が余計な事を言ったからなのか。
それにしてもピーナツ1袋はちょっとなー、確かに食べだしたら止まらないけどさ。
せめて友達も『かっぱえびせん』とかにしてくれれば良かったのに。

お陰でS君は「ピーナツマン」という影のコードネームと兵庫医大のオペのしおり『外科治療について』に「詰まるもの ピーナツ一袋」の記述を残す事になった。

まぁ「退院日にブドウの巨峰を20粒1度に食べて,イレウスになり,翌日再入院となった方があります。今まで食べれなかったのが、食べられるようになって,あまりうれしかったので,思わず噛まずに飲み込んでしまったとのことでした。」って書かれた人よりはマシか。
変なもの食って有名になるのはヤだなぁ。

後に判明した事ですが、S君はピーナツ一袋開ける前にタコヤキも完食していたそうですw