第63話「UCな子供」


兵庫医大には全国から末期的UC患者がたくさん集まってくる。
まぁ病棟の4割はUC患者だ。
大体若いヒトがよく発病する病気なので病棟全体の平均年齢は低い。
なかには子供のUCだって入院している。

てっちゃんは今年から中学生だそうだ。
彼の体はとても小さい、てっきり小学3-4年生かと思った。
やはりUCで御飯があまり食べれなかったからだろうか。
しかし、こんな小さな子が内科でイロイロやったあげく、外科でオペ3回もするんだから複雑な気分だ。
親御さんなら、なおさらだろう。

ちなみに彼は最後の3回目のオペが終わった直後なので、UCでいえば彼は1コ先輩だ。
「なぁなぁてっちゃん、3期終わったらどんな感じ?結構大変?」
「えーっとなぁ、ちょっと口で説明すんのは難しいなぁ。多分なってみないとこの感覚は解らないと思う。でも、多分ヤナイさんは大丈夫だと思うよ」
なんか中学1年生に励まされてしまった。

「てっちゃんはさ、やっぱ入院ばっかしだと寂しくない?」
「ううん全然、遊んでくれる人いっぱいいるし親も日曜日にくるから。親も別に来なくてもいいのに、電車賃もったいないから」
なんてシッカリした子供だろう。
しかも大人ばかりの中でも全然物怖じしない、やはり苦労して来たからなのか。

実際、看護婦さんとかに言わせれば大人より子供の方がよっぽど我慢強いそうだ。
絶食とかも年いった人ほど我慢できない人が多いらしい。
こんな子供が文句も言わずに頑張ってるのだから大人の男としては頑張らないワケには行かない。

「僕な、中学上がったら運動部に入部するねん、今まであんまりスポーツとかできんかったから」

彼の人生はまだ始まったばかりだ。