| どこでもそうだが兵庫医大でも4月はバタバタと慌ただしい。 4月から新米看護婦が実戦投入されてくるからだ。 新米ナースが目を回しそうにイッパイイッパイになってるのはもちろん、うっかり先輩になってしまった2年目ナースも「先輩!これどうしたら良いんですか?」「えぇ!私もわからないー!」なんて後輩の前でテンパっている。 不安そうな看護婦だめだめコンビを前に、より一層不安なこちら患者側としては、かなりイヤーンな状況だ。 朝の採血なんかも結構嫌だ。 早朝、深夜勤の看護婦Kさんがカーテンをするする開けて入ってきた。 「はい、おはよー、採血ですよー」彼女はベテランで採血も上手いので一安心だ。 血管を捜して僕の腕をパシパシ叩く、「お。これは!!ちょっと待ってて!」 ん。なんだなんだ?嫌な予感… ほどなく、Kさんは新米看護婦のNさんを連れてきた。 「うふ、練習してもいい?」満面の笑みでKさんがほほえむ。 やっぱり! 「・・・お客さんこういうトコ初めて?痛くしちゃだめよ」 日頃から余計な迷惑を看護婦さんにかけてる身としては拒否するワケにもいくまい。 Kさん「血管がいっぱい見えてるから好きな所になんぼでも刺してええよ、血管太いから刺しすぎても貫通しにくいし」 うわぁ、なんか嫌だ! プス。「あれ?」 プス。「ちょっと違う…」 プス。「……」 プス。「………」 トキ「うはぁ!このままじゃ俺シャブ中の人の腕みたいになっちゃうよ!」 新人Nさん「あ、入った!」『ちーゅーーうーーーー』(めちゃゆっくりと採血) Kさん「そんなにユックリじゃ駄目!もっと早く採血しないと」 新人Nさん「は、はいっ」『ちゅうっ!』 トキ「ぬあっ!なんかそんなメッチャ急にいっぱい吸ってもええのん?!」 Kさん「んーそれはちょっと量多すぎねー」 新人Nさん「は、はいっ」『にょー』(血を戻し始めた) トキ・K「戻すなぁっ!!」 4月はまだいい。 看護婦さんの採血くらいだから・・・。 でも5月になると新米研修医が実戦配備される。 看護婦はしなかった注射や点滴を朝夕ばんばん打たれる練習台にされるのは嫌だっ! ・・・5月までには退院しなければ!!! |