第70話「害来患者」

毎週木曜日は第二外科の外来日だ。(2004年現在は火曜日)
何十人ものオペ済み患者が来るわけで、予約をしていても診察だけでも1-2時間は普通に待たされる。
まして検査などあれば、朝から来ていても昼を回るのは確実だ。
そんなわけでOB(オペ済み)が暇つぶしに9階に上がってくる。
三回も手術をするので(現在は1回が主流です)、仲の良い看護婦や顔見知りの患者が絶対誰か居るからだ。

K井君が外来ついでに遊びにやってきた。
彼は小学生の頃からUCで、十数年内科にかかり続けて去年ようやく手術が完了した。
いわば生粋のUCっ子なわけで、性格も見事に邪悪だ(笑 (←一応誉めているつもり)
僕自身、ブラックだの危険人物だの友達によく言われがちなのだが、K井君の足元には及ばない。
やはり小さい頃から大人(医者や看護婦しかもちょっと同情の目の)に囲まれて、内科治療の実験台にされて、どうにもならない苦痛と恐怖と共に育ったからなのかなぁ。。。

ちなみに彼は内科時代には、薬の使い過ぎで幻覚が見えたり、新治療の効果を見るために5分おきに大腸カメラを入れられまくって顔真っ青でガチガチ震えながら耐えたものの急激に悪化して外科に移されたり、様々な武勇伝を持つ男だ。
そりゃブラックにもなるよな(;´Д`)

喫煙場所に溜まって外来患者らと雑談。
術後の体調の事から病院内の秘密の場所や脱走経路、色んな事をウダウダと話し込む。
と、そこへ看護主任のHさんがやってきた。
「ちょっとK君、また何か悪い事を教えてるんでしょう!あかんよ!ほらほらUC患者は散った散った!病人はベットでおとなしく寝てる。見舞い客は午後3時から。だいたい外来の会計はもう済んでるの?」
流石に主任さんともなれば良く解ってらっしゃる(;´Д`)
なんつーか「囚人達がコソコソ脱獄計画を話しあってる所に看守が来た」状態そのまんま。
主任さんも大変だぁ。