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潰瘍性大腸炎の内科治療

内科治療
1.サラゾピリン 2.ペンタサ 3.ステロイド剤
4.ステロイド強力静注療法 5.ステロイド動注療法 6.ステロイド注腸(ステロネマ)
7.アンチドラッグ注腸療法 8.ステロイド・パルス療法 9.白血球(顆粒球)除去療法
10.漢方薬 11.免疫抑制剤 12.乳酸菌
13.ATM療法(抗菌剤多剤併用) 14.レミケード 15.ニコチンパッチ
16.爪もみ療法(刺絡療法) 17.盲腸摘出手術 18.抗鬱剤
19.サリドマイド 20.抹消血移植 21.遺伝子治療
22.その他研究中らしい療法 23.慶応大学で見つかったUCを完治させる治療法(誤報) 24.その他効果が無い治療法(要注意)

内科治療

内科治療としては薬で大腸の炎症を抑えながら、食事療法や絶食で大腸を安静にして緩解を待つのが一般的です。早ければ1〜2ヵ月で緩解です。

使用する薬は一般的にはサラゾピリン・ペンタサ・ステロイド(プレドニン)で、軽症であればどこの病院でも治療できます。症状が軽い場合はサラゾピリン・ペンタサを使い、炎症が進んで下血が出るようになればステロイドを使います。その後緩解して下血が無くなればサラゾピリン・ペンタサに戻して継続的(数ヶ月〜数年)に飲んで様子をみます。ペンタサやサラゾピリンは緩解維持や癌の抑制の効果があるので、緩解しても飲み続けるようにしましょう。

下血がひどい場合やステロイド20〜30mg/1日くらい使うようになったら入院です。(病院によって入院の判断基準に差があります)早めに入院してしまった方が早く退院できるのでムリしない方がいいでしょう。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

サラゾピリン(5-ASA製剤 一般名:サラゾスルファピリジン)

潰瘍性大腸炎の治療に一般的に使われるのが5-ASA製剤(5-アミノサリチル酸製剤)です。なぜ効くかは不明らしいです、粘膜を傷つける活性酸素を減らしたり、炎症をひどくするサイトカインを抑えるとか言われています。ペンタサより副作用が多いと言われていますがステロイド剤よりは余程軽微です。また、なぜかペンタサよりサラゾピリンの方がよく効くという人も居ます。甚大な副作用も報告されていますが実際には稀です。体に合わない場合はすぐに症状を主治医に伝えてペンタサに代えてもらいましょう。座薬も有ります。

サラゾピリンの副作用

良くある副作用
発熱・発疹・吐き気・めまい・食欲不振・下痢・腹痛・頭痛・倦怠感・尿や精液が黄色くなる

その他報告されている副作用
抑うつ・腎機能障害・肝機能障害・高アミラーゼ血症・大赤血球症・白血球減少・無顆粒球症・血小板減少・溶血性貧血・葉酸欠乏・無菌性髄膜炎・男性不妊(精子数減少)・その他…

血液障害・肝障害・腎障害・気管支喘息などを持つ患者や、乳児・幼児、妊婦・授乳婦への投与は注意が必要。男性不妊は薬をやめれば3ヶ月程度で回復します。妊娠への投与は催奇形作用は認められていないものの他のサルファ剤では奇形もあるので少なくとも妊娠3ヶ月目までは避けるほうが良く、母乳に融け出るので授乳婦もさける方が無難。サラゾピリンの代謝物が胎盤通過により新生児に高ビリルビン血症をおこしたり、乳幼児・未熟児・幼児へ投与した場合も高ビリルビン血症を起すことがある。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

ペンタサ(5-ASA製剤 一般名:メサラジン)

サラゾピリンから有効成分の「5-ASA」を取り出した新しい薬です。サラゾピリンよりも副作用が少なく安全だと言われています。薬の強さはどちらもあまり変わりません。サラゾピリンやステロイドより直腸の炎症に効きにくいと言われますが、そういう場合はペンタサ注腸も有るので試されると良いかもしれません。

ペンタサの副作用

良くある副作用
発熱・発疹・吐き気・食欲不振・下痢・腹痛・じんましん

報告されている副作用
腎機能障害・肝機能障害・黄疸・高アミラーゼ血症・ネフローゼ・白血球減少・過敏性肺障害・膵炎・心筋炎・心膜炎・胸膜炎・筋肉痛・関節痛・腹部膨満感・口内炎・脱毛・その他…

腎機能・肝機能の低下している患者・サラゾピリンに対する過敏症のある患者への投与は注意。催奇形性は認められていないが妊娠中の投与に関する安全性は不明、また、母乳へも解け出る。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)

ステロイドは最も潰瘍性大腸炎に効く薬です、これ無しでUCの治療はできません。ただし、非常に恐ろしい副作用がたくさん有るので、使用には注意が必要です。(ちなみに、副腎皮質ホルモンは一日にプレドニン換算で5mg(1錠)が副腎から分泌されていて、体にストレスがかかると更にたくさんの量が分泌されて体を守ります。)

主にプレドニン(プレドニゾロン)を使いますが他にも色々あります。使用法も色々あり、経口で飲む・注腸(浣腸)・点滴静注・強力静注・動脈から注入などがあります。使用法に合わせてリンデロン座薬・注腸ステロネマ・注腸プレドネマなどの製品もあります。

プレドニン換算で体重×1〜1.5mgぐらいが1日の限度量(60〜80mgくらい)とされています。(でもまぁ60mgとかを2-3ヶ月続ければ、歩けないくらいに骨粗鬆症になれます。)累積投与量が10000mgを越えるとそろそろ大腸全摘手術を考える必要があります。これを越えると統計学的にオペの成否率が悪くなってくるので長期的な管理が必要です。(一ヶ月700mg、一日当たり50mg、を越えるとオペ後の合併症発生率が高くなるデータもあります)20000mgまで大丈夫と言う内科医もいて、実際3万や4万まで使っている人も居ますが、誰もがここまで使って大丈夫という訳ではありません。一部「ステロイド耐性」のある人もいて全然ステロイドが効かないことも有ります。(難治性例で20%、重症例で30%の患者が効かない)

ステロイドは減量していくのが難しいので、患者個人の判断で飲むのをやめたりしてはいけません。ステロイド減量の段階で離脱症状が起こる場合があります。めまい・息切れ・動悸などが起こり起き上がれないくらいになります。こういった場合はプレドニンを1錠取り合えず飲めば回復しますので、お守り代わりにプレドニンを持ち歩いておく方と良いかもしれません。ただし、その後すぐに主治医にかかってください。離脱症状は最悪の場合腎不全などを起こして死亡することも有るので注意が必要です。

ステロイドの副作用

満月様顔貌(ムーンフェイス)・にきび・多毛・中心性肥満・皮膚線条・高血圧・筋肉痛・関節痛・白内障・緑内障・食欲不振・食欲増進・不眠症・月経異常・更年期症状促進・ミオバチー・発汗増大・野牛肩・アナフィラキシーショック・骨粗鬆症・大腿骨(上腕骨)骨頭壊死・難聴・副腎皮質機能不全・糖尿病・高血圧症・膵炎・ステロイド筋症・神経症・精神異常・鬱病・血液凝固異常・血栓症・発育障害などなど。 医者は否定しますが歯の知覚過敏がよく言われます。

あまりにひどい副作用の場合はオペせざるを得なくなります。骨頭壊死・難聴・白内障などはなってしまうと二度とはもとに戻らないので要注意です。

あと、個人的な意見ですが意外と精神障害も出やすい気がします。不安で不安でたまらなくなったり、全く眠れなくなったり、自分以外の家族や友人が「理解できない変なこと」を言い出したら主治医に詳しく話して安定剤をもらったり精神科を受診した方がいいです。

以前は妊娠時に使用しても胎児に影響が無いといわれていましたが、米で口唇口蓋裂の報告があってから危険度が1ランク上がっているそうです。妊娠初期にはなるべく使用を減らしてサラゾピリンやペンタサを使うほうが無難です。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

ステロイド強力静注療法

静脈から水溶性のプレドニゾロンを1日あたり体重×1mgから1.5mg(40mg〜80mg程度)を4回程度に分けて、注射や点滴のルートから入れます。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

ステロイド動注療法(動脈注射)

ふとももの動脈から細い管(カテーテル)を入れ、大腸の動脈まで行って直接患部の血管に20mg程度の人肌に温めたステロイドを入れます。カテーテルを入れていくのに技術がいります。動脈なので処置後12時間絶対安静で動けなくなります。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

ステロイド注腸(ステロネマ・プレドネマ)

ステロイド溶液を注腸(浣腸)します。局所で吸収されるので少量で効果があり、全身への副作用も少なくてすみます。と、以前は言われていましたが、予想より全身への副作用があると言われ出しました。ただ、局所に直接薬が回るので効率が良く、結果として使用量は少なく済みます。

注腸用にステロネマ(ベタメタゾン)があり、100mlと50mlの2種類あります。最近はステロネマより若干弱目のプレドネマ(プレドニゾロン)も出ました。

プレドニン換算(医師や薬剤師によって計算が違ったりします。およその数値です。)
ステロネマ100:プレドニン換算で24ミリ(吸収されるのは5〜6割程度なので実際にはプレ12〜13ミリ程度)
ステロネマ50:プレドニン換算で12ミリ(吸収されるのは5〜6割程度なので実際にはプレ6〜7ミリ程度)
プレドネマ:プレドニン換算で20ミリ(吸収されるのは6割程度なので実際にはプレ10〜12ミリ程度。ただし、プレドネマの方が吸収され難いという説もあるので12ミリより少ないと思われます。)

ステロネマ画像
ステロネマ

駄菓子屋に売っていたジュースに似ています。先っちっよをポキリと折ってお尻に入れます。挿入するときにキシロカインゼリーをたっぷり塗ったり、あらかじめ人肌に温めておく方が、刺激が少なく我慢しやすくなります。また入れすぎて腸壁を傷付けないよう注意しましょう。一応メモリがcm単位で打ってあるので、どこまで入れるか目安にできます。

チューブ部分が入ったら、溶液の入っている部分をグッと握って注入します。溶液を入れた後は「左側を下」→「仰向け」→「右側下」とゆっくりゴロゴロ転がって奥まで届くようにします。入れてから20-30分くらいは我慢しないと効果が低いです。外来時に処方された時に「箱ごと」くれるのでお持ち帰りが大変ですので、箱だけその場で捨てて中身だけ持って帰ると少し楽です。宅急便で病院から家に送るのも良いです。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

アンチドラッグ注腸療法

皮膚表面で効果を発揮し、体内に吸収された後は分解されて活性の低い物となるアンチドラック(つまり副作用が少ない)のステロイド軟膏(主に皮膚炎などに使うもの)を溶液にといて注腸します。プロパデルムクリーム10gほどを1日1-2回注腸するようです。本来の治療目的と違う療法の上に大量に軟膏を使うので保険的に問題があったりもします。

プロパデルム軟膏画像
プロパデルム軟膏
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リンデロン座薬

ステロイドの座薬です。直腸のみに炎症がある場合などに使います(それより奥なら注腸を使います。)プレドニン換算で5ミリくらいの強さです。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

ステロイド・パルス療法

ステロイドを点滴に混ぜて短時間で大量に入れ、そのショックで一気に治す療法です。普通のステロイド療法が効かない多発性硬化症やSLEなどの難病に短期大量投与が効いたので広まりました。が、白血球除去療法や免疫抑制剤の登場で最近はあまりやりません。

基本的にはステロイド(ソルメドロール)を一日1000mgを24時間点滴に入れて3日間投与します。(1日500mg投与するものはセミパルス療法と言います。)効果を上げるために投与を1-2週毎に3-4回行う事もあります。3日間500mg/日を続け4日休み一週間を1クールとする場合や、2日おきに1日1000mgを数回繰り返す場合など医師によってやり方が違います。

ソルメドロールはプレドニンの1.25倍程強いステロイドですが、大量投与時の水分・ナトリウム・カリウムへの副作用がプレドニンより少ないためにパルスに適しています。短期大量投与でその後のステロイドの投与量が減らせるならば結果的に副作用も少なくすむと言われています。ただし大量のステロイドを使うために甚大な副作用のリスクがあり注意が必要です。また、パルスが効かなかった場合はオペ適応になることが多く諸刃の剣です。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

白血球除去療法

白血球除去療法は潰瘍性大腸炎患者の大腸を攻撃する活性化した白血球を血液からこし取る治療法です。人工透析と同じ原理で血液を体外循環させ、血をきれいにしてから戻します。

白血球系除去療法は数種類ありますが、白血球(顆粒球・単球)・リンパ球をポリエステル繊維で除去する「L-CAP」(セルソーバ)と、白血球(顆粒球・単球)のみをセルロースビーズで吸着する「G-CAP」(アダカラム)の2種類が最も行われています。2000年4月より中等症・重症の患者へ保険適応され全国300箇所以上の病院で治療が受けられます。透析やっている大きな病院ならどこでもできると思います。
(株)日本抗体研究所(詳しい情報あります) のHPで使用可能な病院のデータが検索できます。

腕の血管(又はふとももの付け根)から毎分30〜50mlで1時間ほどかけて数リットルの血を入れ替えます。現在は保険の関係で、『大体一週間に1回、5週1セット程度行い、一回の再燃に対して2セットまで使用できます』一度に2セット以上は使えません。(一度緩解すれば、次回再燃した時にもまた2セットまで使えます。)

費用的には特定疾患受給者であれば月の定額料金内で受けれます。ただし、特定疾患が無い場合は1回あたり145000円の3割負担で43500円かかります。

重症患者に効きやすいと言われていますが、発病6年以上の患者には効果が無いとも言われています。これは、炎症の原因となる物質を取り除いても、その後の潰瘍を治していくのは腸自体の治癒力であり、長年患って鉛管状になった大腸には回復力が殆ど無かったりするからです。また、あくまで対処療法でしかなく、再燃を防ぐ事はできません。

副作用は、気分が悪くなったり吐き気がする・血液凝固阻止剤のアレルギーなどが起こる場合がありますが、ステロイドや免疫抑制剤などよりは余程副作用は少ないです。白血球のみを除去し赤血球などは除去しないので貧血などの心配もありません。

白血球除去療法アダカラム全体画像 白血球除去療法アダカラム、ビーズ拡大図
アダカラム全体 アダカラムの吸着ビーズ

白血球除去療法を紹介したTV特番(NHK今日の健康)潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

漢方薬

漢方薬だけで治療することはあまりなく、ペンタサやステロイドなど他の治療と併用で使われる事が多いです。紫苓湯・人参湯・大建中湯・紫胡桂枝湯などが使われます。緩やかに効いてくるものが多く、軽症や中等症の場合や緩解維持に使われる事が多い。また、風邪などひいた時に、ステロイドを使っていたりして風邪薬が出せない場合に漢方薬を(葛根湯など)処方されることも多いです。

ただ「漢方=副作用が無い」というイメージがありますが、実際には強い副作用や他の薬との飲み合わせによるトラブルもあるので、使用の際は内科主治医とよく相談しましょう。(痩せる漢方薬で死亡者が出た事故は覚えている人もいるんじゃ無いでしょうか。)

広島クリニック観音

最近よく噂になっている漢方治療では広島クリニック観音が有名です。遠方からの患者さんも多く、重症度や個人差にもよりますが効果があったという声も聞きます。手術直前の人にはお薦めしませんが(効果が出るまで待っている間に手遅れになる場合がある)、軽症や中等症でプレドニンが切れないとか白血球が効かない慢性的な人などには良いかもしれません。費用も数千円と非常に安く初診後は漢方薬の郵送も可能なようです。(時々東京で診察されることもあるようです。広島クリニックへ問い合わせてみて下さい。)

広島クリニック観音ホームページ
→安田さんの体験記
→掲示板の現行スレッド

漢方治療の注意点

これは僕個人の感想なのですが、漢方薬医はよく選ぶ必要があります。僕は以前仕事で漢方薬局を何軒も営業で回っていたんですが、悪意を感じるほどに商売上手な方が多かったです。「難病が治った」などど宣伝する所はまず論外です。だいたい、そのような宣伝は薬事法に違反しますし、宣伝にお金をかける所は「儲けたい」という拝金主義者が多いです。またそういう所は「バイアグラあります」とか「癌が治った」とか節操無く宣伝しているのでよく見極めてください。一生カモられます。(やたらと精力剤を薦めたり、大人のおもちゃまで売ってる所もありました(;´Д`)ノ)

本当に良い漢方医は患者の症状(緩解・再燃時でかなり変わる)を随時診て、処方を細かく変えます。問診で患者とのコミュニケーションをたくさん取るので、人によってはその辺りに安心感や信頼感を得て、それがストレス軽減に繋がっているのかもしれませんね。

しかしまぁ、結構な金額がかかったりする割に効き目はそれ程でも無かったりするので、内科で紫苓湯でも出してもらう方が良いんじゃないかなと僕は思います。漢方で治ったという人はステロイドなど他の治療も同時にやっていて、はたして漢方だけが効いたのかどうか解らないケースがほとんどですから。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

免疫抑制剤

大腸を攻撃する免疫力を下げて出血を抑えます。ステロイドが効かない場合やステロイドを減量できない時に使います。イムラン(アザチオプリン)やロイケリン(メルカプトプリン 6-MP)が主に使われます。イムランとロイケリンは効果の即効性があまりなく、効き目が出てくるのに2-3ヶ月かかる場合があります。

シクロスポリンという免疫抑制剤もありますが、治検中で保険適応外です。(シクロスポリンを1日2−4mg/kgの持続静注を7−14日間行い、有効であればシクロスポリンの経口投与1日5−8mg/kgに変更する。また血中濃度を頻繁に計らないといけなく、しばらくベットに釘付けになります。副作用での死亡率が2%ほどあります。)プログラフという免疫抑制もありますが、現在治検中で未認可です。

副作用は催奇形性・感染しやすくなる・臓器不全など、リスクが高いです。特に妊娠はしないように注意が必要です。(妊娠したい場合は免疫抑制剤は使えません)またオペをする場合、オペ時の感染症や縫合不全などの確率が非常に高くなるのでオペ前の使用は注意が必要です。(手術回数が増えたり失敗の確率があがります。)また、使用中は水疱瘡や風しん等の感染には気をつけましょう、死亡する程悪くなる可能性があります。

免疫抑制剤の副作用

肝臓機能障害・腎障害・骨髄機能抑制・膵炎・催奇形・感染に弱くなる。将来的に白血病やリンパ腫、皮膚がんなどの悪性腫瘍の発現リスクが少し高まる可能性もあります。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

乳酸菌 プロバイオティクス(有用微生物)

UCと腸内細菌は密接に関係しているとも言われています。治療法という程では無いですが、緩解維持には効果があるようです。

ヤクルトミルミル(新商品名:ビフィーネM)

緩解維持に良いとされています。1週間に1-2本飲めば良いそうです。再燃しそうな雰囲気の頃に飲むと再燃せずに済むと言われていたりします。完全に再燃している状態では焼け石に水かも。ミルミルでの研究では有効なデータが出ていますが、ミルミルEはビフィズス菌の種類が別物なので有効性は証明されていません。

ミルミルは現在ビフィーネMと商品名が変わり、一般店頭販売がなくなりました。購入はヤクルト販売店かヤクルトレディへ。定期購入も可能です。

ヤクルトと兵庫医大の石川先生の研究

ビフィコロン

あのペンタサを作っている日清キョーリンが出しているビフィズス菌です。健康補助食品なので処方箋などは要らずに普通に薬局などで買えます。兵庫医大では一時大人気で売店では売り切れが続きました。
日清キョーリン製薬

ビフィーナ

森下仁丹が作っているビフィズス菌です。ビフィコロンと同じく、一部で愛飲者がいます。
ビフィーナ スーパー ビフィーナ レギュラー
画像をクリックすればケンコーコムの購入ページへ行けます。
スーパーはビフィズス菌50億個タイプで30包2980円、レギュラーはビフィズス菌20億個30包1980円

VSL#3

VSLナンバー3とは8種類の善玉菌(乳酸菌など)が入っているパウダーで、海外で潰瘍性大腸炎への効果が報告されています。
BioToday 2005-08-02 プロバイオティック・VSL#3は、難治性の潰瘍性大腸炎に効果
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ATM療法(抗菌剤多剤併用)

ATM療法とは順天堂大学の大草先生が研究している潰瘍性大腸炎に複数の抗生剤を使う治療法です。使用する三剤のアモキシシリン(パセトシン・サワシリン)、テトラサイクリン(アクロマイシンV)、メトロニダゾール(フラジール)の頭文字を取ってATMという。「潰瘍性大腸炎の原因はフソバクテリウム(少なくとも原因の一つである)」として、これを除菌することで治療します。重症度に関係無く効く人には効くようで、長期緩解も見込める人も居るようです。

朝昼晩と三剤を二週間服用する(ステロイドやペンタサなどはそのまま併用)。現在は治験段階でまだ保険認可されておらず、どこでも受けれる治療ではありません。ただ、薬自体はどこの病院でも使える薬で薬価もそれほど高くないので自己負担であれば使用可能。(3剤の量や副作用、経過観察で注意すべきことなどがあるので、ATMを主治医に頼んで勝手にやってもらったりせず、順天堂大に問い合わせてもらって下さい)

主な治験参加病院(2005年3月末)
順天堂大学 消化器内科、京都民医連中央病院 消化器内科、日本大学 第3内科、岩手医科大学 第1内科、国際医療センター 消化器内科、順天堂大学附属伊豆長岡病院内科、山形県立中央病院内科、大分大学総合診療科・消化器内科、東京医科大学(霞ヶ浦病院)第5内科、富山医科薬科大学 第3内科、筑波大学消化器内科、昭和大学第2内科

ステロイド耐性のある人には効き難いとか、効かない人も居るようです。また、フソバクテリウムは常在菌でどこにでも居るので再感染することもあります。(その場合は再度除菌)

ATM療法の副作用

発疹、発熱、吐き気、下痢、異味症 (副作用で中止せざる得ない場合もあるようです)潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

レミケード

炎症を起こすTNF-αという体内物質と結合してTNF-αの作用を阻害し、炎症を鎮める新薬。ヨーロッパやアメリカでは中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者への使用が承認されており、日本でも現在治験が行われています。クローン病では既に保健認可されています。まだUCには認可されていませんので自費で使うと1本20万以上かかります。

クローン患者での使用感としては「効く人は良く効き、使っている間は非常に調子が良い」という声があるようです。

レミケードの副作用

頭痛、吐気、めまい、かゆみ、発熱、体がだるい、発疹、胸の痛み、息が苦しい、筋肉や関節痛

アレルギー性のショック症状が出る場合や、結核・多発性硬化症・うっ血性心不全の症状がある人には使えません。
抵抗力低下によって感染症にかかりやすくなり、過去に結核にかかった人は再発する可能性があります。
田辺製薬パンフレット「レミケードを投与された患者さんへ」潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

ニコチンパッチ

クローンでは禁忌とされているタバコですが、UCにはニコチンが有効だという研究論文が出ています。実際、「禁煙するとUCが再燃した」という事例が多く報告されています。しかしタバコでは有害過ぎるので、ニコチンパッチという医薬品を使って治療します。

◎UCはタバコを吸う方が良いのか?◎
禁煙すると再燃する事があるので、喫煙UC患者は禁煙時には注意が必要です。ただやはり、タバコは他の臓器にも悪影響があるので「治療薬」と称してバカスカ吸いまくるのは、トータルで考えると良くないでしょうね。ましてや、喫煙習慣の無い人が、わざわざUCの為にタバコを吸う必要は全くありません。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

爪もみ療法(刺絡療法)

爪の生え際のかどを揉んで刺激します。一部ではこれで調子がよくなったという話があります。両手の親指、人さし指、中指、小指の爪の生え際を揉むそうです。

詳しい紹介ページ
自分で簡単にできるのでお手軽です。医学的な効果の程はよく解りません。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

盲腸摘出手術

盲腸を取ってしまえばUCにならない、という論文があります。実際的な効果の程は不明です。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

抗鬱剤

抗鬱剤を飲み始めたらUCが良くなったという人も居ます。ストレスが軽減された為だと思われますが、内科医に「再燃したからパキシルちょうだい」と言ってみた所で、出してくれるとは考えにくいですね…。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

サリドマイド

UCにも使えるようです。当然妊娠を控えての使用はできません。日本では使用されていない薬なので、海外から取り寄せて使うしかありません。しかし、そこまでする程の効果は無いようです。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

抹消血移植(現在研究中につき、実用化はまだまだ先です)

抹消血移植は造血幹細胞という細胞を血液から抽出培養して体に戻す治療法。免疫システム自体を全て書き換えてUCを発生させません。骨髄移植と同じような治療法ですが、自分の血液でできるので骨髄移植よりは安全。といっても、強力な抗がん剤で免疫を一度全部殺すので失敗=死という危険な治療。詳しい情報は↓こちらでどうぞ。
http://www.ncc.go.jp/jp/ncc-cis/pub/treatment/010702.html潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

遺伝子治療(現在研究中につき、実用化はまだまだ先です)

遺伝子治療は欠損したり異常を起こした体細胞の遺伝子を正しい遺伝子を送り込んで治す治療法です。治療自体は正しい遺伝子を注射するだけで良く、副作用もあまり報告されていません。(すでに実用化されてる他の病気の遺伝子治療の話)また、子孫に影響する生殖細胞ではなく体細胞をいじるので遺伝に影響しません。ただ、この治療をするためにはUCの原因となる遺伝子がどれなのかが解明される必要があります。最近UCの原因の遺伝子が大体どの辺りにあるかまでは解って来たそうです(癌発生に関係がある遺伝子のそばらしい)。その遺伝子を特定できるかどうか、また、特定できても遺伝子治療が効果あるかどうかまでは不明です。(癌などはあまり効果がないそうです)詳しい情報は↓こちらでどうぞ。
http://www.qole-acct.co.jp/genetiss/潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

その他研究中らしい療法

酪酸注腸療法・抗サイトカイン療法・活性酸素消去療法などなど
どうなんでしょうねぇ?潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

慶応大学で見つかったUCを完治させる治療法

デマです。

慶応の先生がUCの原因を突き止めた。保険認可があるのであと8年かかるがUCが完治する。
というデマが流れています。実際に慶応に掛かっている患者さんが先生に聞きましたが、そのような事実は有りませんでした。また、違う人で慶応に電話をかけて聞いた人も居ましたが「そういう問い合わせが多くて困っている」ということでした。変な情報に躍ったり、人を躍らせないように気をつけましょう。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ

その他効果が無い治療法(要注意)

「潰瘍性大腸炎が完治する」など誤った宣伝をする業者が居ます。

最近、マルチまがい商法に近い健康食品業者などが、UC系HPの掲示板などからメールアドレスを集めて勧誘メールを送ってきたりしていますので注意してください。飲尿療法・ノニジュース・SOD様作用食品・水・浄水器など様々なモノをセールスしてきますので無視してください。月に数万円の費用をかけるくらいならヤクルトミルミルでも毎日飲んだ方がまだ安くて効果あります。潰瘍性大腸炎の内科治療TOPへ


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