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潰瘍性大腸炎患者の妊娠出産

潰瘍性大腸炎患者でも妊娠出産は可能です

潰瘍性大腸炎でも子供はつくれます潰瘍性大腸炎患者でも出産された方はたくさんいらっしゃいます。できるだけ緩解期に計画的に妊娠出産するよう心掛け、妊娠した場合は必ず主治医に相談しましょう。産婦人科と内科とで連携を取れるように大きな病院で妊娠出産される方が良いでしょうね。意外に「妊娠中はUCが落ち着いていた」という人も居たりします。(ホルモン分泌量が多いのが原因かもしれません)

妊娠中はなるべく薬の使用を控え、副作用の少ないペンタサなどで乗り切りたい所ですが、母体が危険になっても問題なのでステロイドを使いながらの出産が多いようです。しかし、プレドニンは口唇口蓋裂を起こす可能性がアメリカで報告されているので、妊娠初期にはなるべく使用を減らす方が無難です。(一応、サラゾピリン・ペンタサは胎児に奇形を誘引する副作用は確認されていません。)僕自身は障害のある子が生まれてきたという話は実際に聞いた事はありません。サラゾピリン・ペンタサを飲んでいると副作用で葉酸欠乏になることがありますので葉酸の補給には気をつけましょう。

また、できれば「いきまない出産方法」をしている産科の方が良いそうです。健康な人でも出産時に裂肛したりするのですが、UC患者にはちょっとキツイです。(特に手術済み潰瘍性大腸炎患者は要注意。肛門は非常に大事ですので、帝王切開にする方が無難です。なるべく大腸全摘手術をした大学病院で外科・産科に連携を取ってもらって出産する方が良いです。)

ただ、注意しないといけないのは、免疫抑制剤を使っている場合です。免疫抑制剤の種類にもよるのですが、催奇形の可能性があるので妊娠しないよう気を付けておかなければなりません。

男性の場合はサラゾピリンを飲んでいる場合に精子数が減少する事があります。(妊娠できなくはありませんが、確率は低くなります)サラゾピリンをやめれば精子数は元に戻るので、子作りの予定がある場合は薬を変えてもらいましょう。

出産後、サラゾピリンを飲んでいる場合は母乳に溶け出るのでなるべく粉ミルクを使いましょう。万が一サラゾピリンとの相性が悪く、血液障害の副作用(白血球や血小板の減少)などが子供に出ると危険です。また、妊娠中それほど体調が悪くなかったのに、出産後にホルモンバランスが変わって再燃悪化する女性も居たりしますので気をつけましょう。

薬を飲みながらの授乳について

薬物治療をしている場合は母乳に薬の成分が溶け出します。量的には数%程度の微量で、薬物の副作用が乳児に出たという話もほとんど聞いたことはありませんが、留意しておいてください。粉ミルクで育てる方が安全ですが、初乳や母乳で育てたい人もいますので、それぞれのメリットデメリットをよく検討して主治医に相談して決めてください。また、何かあった時に薬が母乳に溶け出ていることで副作用が出ているのかどうか原因特定をするためにも副作用の可能性について覚えておいてください。

それから、授乳の為に薬を勝手に飲むのを止めるとかはしないようにしてください。
無理してお母さんが入院するような事になっては本末転倒です。
母乳で育てる育てない以前に母親不在の方がよほど子供に悪影響ですからね。

サラゾピリン・ペンタサ
 
母乳に溶け出ます。普通はそう問題はないと思われますが、もし乳児がサラゾピリン・ペンタサの重大な副作用が出る体質だった場合に腎機能や血液障害(白血球減少)などを起こす可能性があります。そこまでの甚大な副作用まで行かなくても下痢をする可能性はあるかもしれません。

プレドニン

母乳に溶け出ます。
以下、ゆみちゃんさんのブログにてyowkunさんが詳しく調べられた記事がありましたので引用転載します。

***************以下転載***************
『プレドニゾロンを服用中の母親の乳汁には
数%のプレドニゾロンが移行される。(1日10mg服用の場合、最大1mg以下)

母親のプレドニゾロン服用量が1日40mgまでの少量
あるいはその相当量では、乳幼児に全身作用を及ぼす事は考えられないが、
母親がこれより多量に服用する場合、
乳幼児に副腎抑制の症状が現れるかどうか観察する必要がある。

※他の全身作用性ステロイド剤については、
乳汁への移行に関するデータ報告されていない。


また、プレドニゾロンは『薬剤添付文書』では"投与時授乳不可"
と記載されているが、
『米国小児科学会(AAP)』では授乳時投与が容認されている薬剤である。

実際問題として、プレドニゾロンは乳汁中に移行するが、
その量はわずかで、母親の服用量が1日20mg〜30mg程度以下であれば、
授乳しても差し支えないとする報告がある。

難病医療会ではこう決められている。
※プレドニゾロンの血中濃度は服用後2時間後がピーク。
その後徐々に低下。

授乳中には、20mg未満の低用量のプレドニゾロンの使用が安全。
もし20mg以上内服していれば、4時間をおいて授乳する。』


***************ここまで***************


子供に潰瘍性大腸炎は遺伝するのか?

潰瘍性大腸炎は遺伝病ではありません基本的に潰瘍性大腸炎は遺伝病ではありません。ただ、「親子で潰瘍性大腸炎」「兄弟で潰瘍性大腸炎」という人が実際にいたりしますので、「潰瘍性大腸炎を発症しやすい体質」は遺伝するのかもしれません。しかしながら非常にまれな事なので「子供が潰瘍性大腸炎になったら可哀想だから子供は作らない」と思う必要はありません。

しかし、万が一発症してしまった場合を考えて、子供には医療保険(郵便局の簡易保険など)を早めに加入させておいた方が良いかもしれませんね。

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